公開日:2026年9月18日  更新日:2026年9月18日

障害者雇用枠で採用した契約社員が、そろそろ勤続5年を迎える。そんなタイミングで「5年ルール」という言葉を初めて意識した人事担当者の方も多いのではないでしょうか。

障害者雇用にも、原則として5年ルール(無期転換ルール)が適用されます。同一の使用者との有期労働契約が更新され、通算契約期間が5年を超える場合、労働者には無期転換を申し込む権利が発生します。その契約期間中に申し込みがあると、使用者が承諾したものとみなされ、現在の有期労働契約が満了する日の翌日から無期労働契約となります。

見落とされがちなのが、対応に必要な時間です。申し込みを受けてから就業規則を整備しようとしても、間に合わないケースが少なくありません。就業規則の変更が必要な場合は、内容の検討や労働者側の意見聴取、社内周知などの手続きが必要になります。

常時10人以上の労働者を使用する事業場では、変更後の就業規則を所轄の労働基準監督署長へ届け出る必要があります。

【この記事でわかること】

  • 障害者雇用に5年ルールが適用される理由と、適用除外となるケース
  • 自社が取るべき対応方針の選び方
  • 申し込みを受ける前に済ませておくべき就業規則の整備内容
  • 無期転換で活用できる助成金の要件と支給額

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障害者雇用の5年ルール(無期転換ルール)とは

障害者雇用の5年ルール(無期転換ルール)とは

「5年ルール」は法律にその名称の制度があるわけではありません。労働契約法18条に定められた無期転換ルールを指す通称です。

障害者雇用の担当者が最初に確認したいのは、このルールが障害者雇用枠にも同じように適用されるのかという点です。結論を先に言えば、適用されます。障害の有無による例外は設けられていません。

ここでは制度の基本的な仕組みと、障害者雇用に適用される理由、そして適用除外となるケースを順に整理します。

5年ルール(無期転換ルール)の概要

5年ルールとは、労働契約法18条に定められた無期転換ルールのことです。同一の使用者との間で有期労働契約が更新されて通算5年を超えたときに、労働者の申し込みによって無期労働契約に転換される制度を指します。

平成25(2013)年4月1日に改正労働契約法が施行され、導入されました。通算期間のカウント対象となるのは、2013年4月1日以降に開始した有期労働契約です。

企業が押さえておくべきポイントは3つあります。

① 自動的に転換されるわけではない

通算5年を超えただけでは、契約は有期のままです。労働者が申し込みをして初めて無期労働契約が成立します。

② 申し込みがあれば企業は断れない

有期契約労働者が企業に対して無期転換の申し込みをした場合、無期労働契約が成立します。使用者は断ることができません。いわゆる「みなし承諾」です。

③ 申込権が発生するタイミングは契約期間によって異なる

契約期間が1年の場合は5回目の更新後の1年間に、契約期間が3年の場合は1回目の更新後の3年間に、それぞれ無期転換の申込権が発生します。

契約期間 申込権が発生するタイミング
1年契約 5回目の更新後の1年間
3年契約 1回目の更新後の3年間

判断に用いるのは、更新後の契約期間を含めた通算契約期間です。実際に5年を超えて勤務してからでなければ申し込めない、という意味ではありません。例えば、3年契約を1回更新すると通算契約期間は6年となり、更新後の契約の初日から無期転換を申し込めます。

なお、契約と契約の間に一定期間の空白(クーリング期間)がある場合、通算期間がリセットされることがあります。契約のない期間が6か月以上ある場合、それ以前の有期労働契約の期間は原則として通算されません。ただし、契約のない期間の前にある通算契約期間が1年未満の場合は、より短い空白期間でも通算対象から除外されることがあります。直前の契約1回分の長さだけで判断せず、更新を含む契約履歴を確認してください。

障害者雇用にも5年ルールが適用される理由

障害者雇用枠で採用した労働者にも、5年ルールは同じように適用されます。

理由は明快です。無期転換ルールの適用対象は「有期労働契約を結んでいるすべての労働者」であり、障害の有無による例外は設けられていないからです。

徳島労働局の解説によれば、対象となるのはパートやアルバイトで有期労働契約を結んでいる労働者のほか、定年後の継続雇用として有期労働契約を結んでいる労働者なども含まれます。

障害の有無によって、無期転換ルールの適用が変わるわけではありません。契約に期間の定めがあるかを確認したうえで、同一の使用者との契約更新の有無、通算契約期間、特例の適用状況などを確認します。

ここで注意したいのが、雇用形態の呼称に惑わされないことです。

  • 契約社員
  • パートタイマー
  • アルバイト
  • 準社員
  • 嘱託社員

契約社員、パートタイマー、嘱託社員などの名称にかかわらず、期間を定めて雇用されている場合は、原則として無期転換ルールの対象です。契約書や労働条件通知書を確認し、契約更新によって通算契約期間が5年を超える時期を把握しましょう。徳島労働局も、名称にかかわらず雇用期間に定めのある労働者を1人でも雇用していれば対応が必要になるとしています。

障害者雇用で有期労働契約を結んでいる場合は、採用時から契約期間や更新履歴を管理することが大切です。また、合理的配慮は、有期・無期の別にかかわらず、本人との対話を通じて必要な内容を検討し、過重な負担とならない範囲で提供する必要があります。契約更新や無期転換の際にも、業務や働く環境の変化に応じて配慮内容を確認しましょう。

適用除外・特例となるケース

無期転換ルールには、一定の要件を満たす高度専門職や定年後の継続雇用者について、無期転換申込権が発生しない期間を設ける特例があります。また、大学等の研究者・教員等には、申込権発生までの通算契約期間を原則5年から10年とする別の特例があります。障害者雇用枠での採用であること自体を理由とする特例はありません。

特例が認められているのは、「専門的知識等を有する有期雇用労働者等に関する特別措置法」(有期雇用特別措置法)に基づく2つのケースです。

① 高度な専門的知識等を有する有期雇用労働者(第一種計画認定)

高度な専門的知識等や所定の年収要件を満たす労働者が、その専門知識等を必要とする、5年を超える一定期間内に完了する業務に従事する場合の特例です。事業主が雇用管理に関する計画の認定を受けるなどの要件を満たすことで、当該業務に従事する期間は、最長10年間、無期転換申込権が発生しません。

② 定年後に継続雇用される高齢者(第二種計画認定)

適切な雇用管理に関する計画を作成し、都道府県労働局長の認定を受けた事業主のもとで、定年に達した後に引き続いて雇用される有期雇用労働者について、無期転換申込権が発生しないとする特例です。

特例の適用には手続きが必要です

見落とされやすいのが、これらの特例は対象者がいれば自動的に適用されるものではないという点です。

特例の適用にあたって、事業主は本社・本店を管轄する都道府県労働局に認定申請を行う必要があります。また、認定された計画が不適当なものとなった場合、都道府県労働局長は認定を取り消すことができるとされており、認定が取り消された場合には通常の無期転換ルールが適用されます。

さらに、定年後継続雇用の特例には適用範囲の制限もあります。この特例は、無期労働契約で定年を迎え、その後も引き続き有期労働契約で雇用される場合に適用されます。有期労働契約のまま契約更新の上限年齢を迎えた場合や、他社を定年退職して新たに雇用された場合は、原則として対象となりません。特殊関係事業主による継続雇用などの扱いも含め、適用要件を確認してください。

障害者雇用との関係で押さえるべき結論

無期転換ルールには、一定の要件を満たす高度専門職や定年後の継続雇用者について、無期転換申込権が発生しない期間を設ける特例があります。また、大学等の研究者・教員等には、申込権発生までの通算契約期間を原則5年から10年とする別の特例があります。障害者雇用枠での採用であること自体を理由とする特例はありません。

障害者雇用枠で採用した契約社員が高度専門職や定年後再雇用に該当しない限り、通算5年を超えれば無期転換申込権が発生します。この前提に立って、自社の対応を検討する必要があります。

出典・厚生労働省「有期契約労働者の無期転換ポータルサイト」・厚生労働省「高度専門職・継続雇用の高齢者に関する無期転換ルールの特例について」

障害者雇用における5年ルールの対応方針

障害者雇用における5年ルールの対応方針

制度を理解したあとに決めるべきは、自社としてどう対応するかです。

前提として、無期転換申込権を有する労働者から申し込みがあれば、企業は拒否できません。社内の選考や評価によって、法定の無期転換を認めるかどうかを決める制度ではないためです。企業が事前に整理すべきなのは、申し込みの受付方法、転換後の労働条件、役割やキャリア形成の仕組みです。契約更新や雇止めについては、無期転換とは区別し、契約内容や更新の実態等を踏まえて適切に判断する必要があります。

ここでは、企業が取りうる方針の選択肢を整理したうえで、自社に合う方針をどう判断するかを解説します。

対応方針の選択肢を把握する

法定の無期転換への対応を整えたうえで、正社員登用や、申込権発生前の早期の無期転換を設けることもできます。それぞれの位置づけは、次のとおりです。

対応 位置づけ 整備する内容
法定の無期転換 申込権を有する労働者から申し込みがあれば対応が必要 申込機会・労働条件の明示、受付方法、適用規程
正社員登用制度 法定の無期転換とは別に設けるキャリア形成の仕組み 登用基準、処遇、役割、選考手続き
早期の無期転換 申込権発生前に、労使の合意等によって無期雇用へ転換 対象者、転換時期、労働条件

採用時から更新上限を明示している場合、その運用自体が直ちに問題となるわけではありません。ただし、無期転換申込権の発生を避けることを目的として上限を設ける対応は、厚生労働省も労働契約法の趣旨に照らして望ましいものではないとしています。すでに更新を重ねている社員に対して後から上限を設ける場合は、雇止めが無効と判断されるリスクが高くなります。

正社員登用は、いわゆる正社員にするだけではありません。厚生労働省の無期転換ルールハンドブックでは、勤務地や労働時間、職務などの労働条件を限定した正社員(「多様な正社員」)への転換が紹介されています。

通勤負担や勤務時間の配慮が必要なケースでも、処遇改善とキャリアパスの提示を両立できる点で、障害者雇用との相性は良好です。

自社に合う方針を判断する

判断の前に、まず対象者の把握が必要です。有期社員が何人いるのか、仕事内容、契約期間、更新回数、無期転換申込権の発生時期までを洗い出します。

対象者を把握したら、無期転換後の業務や役割、必要な支援体制を検討します。現在の業務の継続性に加え、本人の経験や希望を踏まえた職域の拡大、業務の組み替えなども検討しましょう。ただし、将来の業務が未確定であることを理由に、申込権に基づく無期転換の申し込みを拒むことはできません。

この問いは、多くの企業にとって最大の難所と言えます。厚生労働省「令和5年度障害者雇用実態調査」では、障害者の雇用に課題があると回答した事業所について、その課題の内容を尋ねています。「会社内に適当な仕事があるか」を挙げた割合は、身体障害者で77.2%、知的障害者で79.2%、精神障害者で74.2%、発達障害者で76.9%と、いずれも最も高くなっています。

制度への適切な対応と並行して、本人が継続して力を発揮できる業務や働く環境を整えることが大切です。方針の検討と並行して、業務の割り当てや職域の拡大を検討することが、実質的な解決につながります。

障害者雇用における5年ルールに備えた社内整備

障害者雇用における5年ルールに備えた社内整備

方針が固まったら、次は社内の規程です。就業規則の見直しが必要な場合は一定の準備期間を要するため、申込権が発生する契約更新より前に確認・整備を進めましょう。

就業規則の変更が必要な場合は、内容の検討や労働者側の意見聴取、社内周知などの手続きが必要になります。常時10人以上の労働者を使用する事業場では、変更後の就業規則を所轄の労働基準監督署長へ届け出る必要があります。

無期転換の申し込みは、申込権が発生した契約期間中であればいつでも行えます。「そのときになったら考える」では、規程が整わないまま無期契約が成立してしまいます。

ここでは、無期転換社員用の就業規則をどう整備するか、そして2024年4月から義務化された無期転換申込機会の明示について解説します。

無期転換社員用の就業規則を整備する

無期転換後の労働条件は、別段の定めがある場合を除き、契約期間が有期から無期に変わる以外は同一とされています(労働契約法18条1項)。「何もしなくても現状維持」と読めますが、ここに落とし穴があります。

① 無期転換後に適用する定年・退職の規定を確認する

無期転換後の社員に適用される定年の定めがない場合、一定の年齢に達したことだけを理由として定年退職とすることはできません。就業規則や個別の労働契約において、どの定年・退職規定が適用されるかを確認しましょう。なお、無期労働契約でも、本人の退職や適法な解雇等により雇用が終了することはあります。定年を定める場合、60歳を下回ることはできず(高年齢者雇用安定法8条)、「退職に関する事項」として就業規則への記載が必要です(労働基準法89条)。

② 無期転換後に適用される就業規則を明確にする

正社員用就業規則の適用対象が「期間の定めのない契約で雇用される労働者」となっている場合、無期転換した社員にも適用される可能性があります。賃金・賞与・退職金・休暇などについて、どの規定が適用されるかを確認し、本人にも明確に説明しましょう。必ずしも無期転換社員専用の規則を新設する必要はありませんが、既存の規則との関係を整理しておくことが大切です。

③ 申込権が発生する契約更新までに労働条件を整理する

2024年4月以降は、無期転換申込権が発生する契約更新のタイミングで、無期転換を申し込める旨と、無期転換後の労働条件を明示する必要があります。本人から申し込みを受けるまで対応を待つのではなく、対象となる契約更新に間に合うよう、適用する就業規則や労働条件を確認・整備しましょう。

変更には、内容の検討、不利益変更の確認、過半数代表者への意見聴取(労働基準法90条)、意見書の作成、労働基準監督署への届出、社内周知という手順が必要です。過半数代表者の選出も、投票や挙手など民主的な方法で行わなければならず、使用者による指名は認められません。代表者が不在の企業では、選出手続きから始めることになります。

なお、厚生労働省は「多様な正社員及び無期転換ルールに係るモデル就業規則」を公開しています。ゼロから作成する必要はありません。

無期転換申込機会を書面で明示する

2024年4月の労働基準法施行規則5条改正により、明示事項が追加されました。

明示事項 内容
無期転換申込機会の明示 無期転換を申し込むことができる旨
無期転換後の労働条件の明示 転換後の労働条件

いずれも申込権が発生する更新のタイミングごとに必要です。初めて申込権が発生する契約が満了した後も更新する場合は、更新のたびに明示しなければなりません。

明示を怠った場合のリスクも押さえておきましょう。無期転換後の労働条件に「別段の定め」を設けている場合でも、労働条件の明示義務を怠ると、労働者との認識の違いやトラブルにつながる可能性があります。就業規則等の整備とあわせて、必要なタイミングで適切に労働条件を明示することが重要です。

なお、明示は申込権が発生する更新のたびに必要になるため、誰がいつ申込権を得るのかを把握していなければ履行できません。契約開始日・通算期間・更新回数・申込権の発生時期を管理する台帳を用意しておくと確実です。(出典:厚生労働省「2024年4月から労働条件明示のルールが変わります」)

障害者雇用の5年ルール対応で活用できる助成金

障害者雇用の5年ルール対応で活用できる助成金

無期転換や正社員登用に踏み切る際、活用できる助成金があります。

キャリアアップ助成金(障害者正社員化コース)では、有期から無期への転換も支給対象になる場合があります。ただし、労働契約法18条の無期転換申込権が発生している人を有期から無期へ転換する場合は対象外です。5年を超えて申し込みを受けた転換そのものが助成される制度ではありません。助成を検討する場合は、申込権が発生する前の転換か、無期から正規への転換かを、転換前に最新の支給要領で確認してください。

キャリアアップ計画の提出は転換を実施する前に済ませておく必要があり、転換後に気づいても間に合いません。ここでは、制度の概要と対象要件、支給額と申請の流れを解説します。

キャリアアップ助成金(障害者正社員化コース)とは

障害者の雇用促進と職場定着を図るため、次のいずれかの措置を継続的に講じた場合に支給される助成金です。

  • 有期雇用労働者を正規雇用労働者(多様な正社員を含む)または無期雇用労働者に転換する措置
  • 無期雇用労働者を正規雇用労働者に転換する措置

キャリアアップ助成金(障害者正社員化コース)では、有期雇用から無期雇用への転換が支給対象となる場合があります。

有期雇用から無期雇用への転換については、労働契約法18条に基づく無期転換申込権を有する労働者は、この助成金の対象となりません。そのため、法定の申込権に基づく無期転換への対応で、そのまま助成金を受給できる制度ではありません。申込権発生前の無期雇用への転換や、正規雇用への転換を検討する場合は、それぞれの対象要件を確認してください。

また、転換先には「多様な正社員」も含まれます。勤務地や職務、労働時間を限定した形での正社員化でも支給対象となるため、障害者雇用における現実的な選択肢と噛み合う制度設計になっています。

支給の対象となる要件

活用にあたって、まず押さえるべき手続きが2つあります。

① キャリアアップ計画の提出

各コースの実施日の前日までに、管轄の都道府県労働局またはハローワークへ「キャリアアップ計画」を提出する必要があります。転換を実施してから申請しても間に合いません。

② 就業規則等への規定

転換制度は、就業規則または労働協約その他これに準ずるものに規定されている必要があります。

ここで、前章の社内整備と直結します。転換制度については、就業規則または労働協約その他これに準ずるものに規定しておく必要があります。必ずしも無期転換社員専用の就業規則を新設する必要があるとは限りませんが、自社の既存規程で要件を満たしているか確認が必要です。

詳細な要件は事業主・労働者ごとに定められているため、厚生労働省「キャリアアップ助成金(障害者正社員化コース)のご案内」で確認してください。

支給額と申請の流れ

令和8年度の支給額は次のとおりです。

支給対象者 措置内容 支給総額
重度身体障害者、重度知的障害者、精神障害者 有期→正規 120万円(90万円)
有期→無期 60万円(45万円)
無期→正規 60万円(45万円)
重度以外の身体障害者・知的障害者、発達障害者、難病患者、高次脳機能障害と診断された者 有期→正規 90万円(67.5万円)
有期→無期 45万円(33万円)
無期→正規 45万円(33万円)

出典:厚生労働省「キャリアアップ助成金(障害者正社員化コース)」※カッコ内は中小企業以外の額。支給対象者1人あたりの支給総額

支給対象期間は1年間で、最初の6か月を第1期、次の6か月を第2期として、2期に分けて支給されます。

ただし、支給額が各支給対象期における労働に対する賃金の額を超える場合は、賃金の総額が上限となります。

申請の流れ

  1. キャリアアップ計画を作成し、取り組み開始の前日までに労働局またはハローワークへ提出
  2. 就業規則等に転換制度を規定
  3. 制度に基づき転換を実施
  4. 転換後6か月分の賃金を支給
  5. 第1期の支給申請(原則として、転換後の対象となる6か月分の賃金を支給した日の翌日から2か月以内)
  6. 第2期の支給申請(原則として、第1期に続く対象となる6か月分の賃金を支給した日の翌日から2か月以内)

※賃金締切日と転換日の関係、時間外手当の支払時期、勤務日数等によって算定が変わる場合があるため、具体的な申請期限は最新の案内で確認してください。

なお、キャリアアップ計画書の提出および支給申請は、「雇用関係助成金ポータル」を通じた電子申請に対応しています。利用には事前にGビズIDの取得が必要です。

助成金は年度ごとに改定されます

キャリアアップ助成金は毎年度、要件や支給額の見直しが行われています。実際、令和8年度にも対象者の追加がありました。

申請を検討する際は、必ず厚生労働省の最新パンフレットを確認するか、管轄の労働局へ問い合わせてください。

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障害者雇用の5年ルールに関するよくある質問

障害者雇用の5年ルールに関するよくある質問

Q. 障害者雇用でも5年ルールは適用されますか?

適用されます。

無期転換ルールの対象は、有期労働契約を結んでいるすべての労働者です。障害の有無による例外は設けられていません。契約社員、パートタイマー、アルバイトなど呼称にかかわらず、雇用契約に期間の定めがあれば対象になります。

無期転換ルールの特例が認められているのは、一定の要件を満たす高度専門職と、定年後に継続雇用される高齢者です。障害者雇用であること自体を理由とした適用除外はありません

ただし、障害のある労働者であっても、個別に特例の要件を満たす場合には対象となる可能性があります。

Q. 5年ルールはいつから撤廃になったのですか?

労働契約法18条の無期転換ルールは撤廃されていません。現在も有効な制度です。

「5年ルールが撤廃された」という情報は、民間企業の無期転換ルールではなく、国の期間業務職員や地方公共団体の会計年度任用職員に関する公募・再任用の取り扱いの見直しと混同されている可能性があります。

Q. 企業は無期転換の申込みを断ることはできますか?

断ることはできません。

厚生労働省は、有期契約労働者が使用者に対して無期転換の申し込みをした場合、無期労働契約が成立し、使用者は断ることができないと明示しています。いわゆる「みなし承諾」です。

また、無期転換申込権を事前に放棄させることもできません。無期転換申込権を行使しないことを更新の条件とするなど、あらかじめ放棄させることは労働契約法18条の趣旨を没却するものであり、公序良俗に反し無効と解されています。

Q. 5年を超える前の雇止めは違法になりますか?

一律に違法とは限りませんが、無効と判断されるリスクがあります。

厚生労働省は、無期転換ルールを避けることを目的として無期転換申込権が発生する前に雇止めをすることは、労働契約法の趣旨に照らして望ましいものではないとしています。そのうえで、雇止め法理を規定する労働契約法19条の適用対象となる点にも留意が必要としています。

判断では、契約が繰り返し更新され、雇止めが無期契約の解雇と実質的に同視できる状態になっているか、または、労働者に契約更新への合理的な期待が認められるかが重要になります。労働契約法19条の要件に該当し、労働者が更新等を申し込んだ場合には、雇止めに客観的に合理的な理由と社会通念上の相当性があるかが問われます。契約更新について合理的な期待が生じている状況で、無期転換申込権の発生を回避するために雇止めを行った場合、特段の事情がないときは、客観的合理性・社会的相当性が認められないと判断され得るとされています。

なお、有期契約の終了前に使用者が更新年限や更新回数の上限を一方的に設けたとしても、雇止めが許されない場合があります。

Q. 無期転換した社員は正社員になるのですか?

無期転換によって、自動的に正社員になるとは限りません。法定の無期転換では、別段の定めがある場合を除き、契約期間以外の労働条件は従前と同じです。正社員として扱うかどうかや、賃金・賞与等の条件は、適用される就業規則や労働契約によって確認する必要があります。

たとえば、正社員には賞与を支給するが契約社員には支給していない企業の場合、無期転換したからといって自動的に賞与ありの条件になるわけではありません。

ただし、就業規則の適用範囲によっては意図しない結果が生じる可能性があります。正社員用就業規則の適用対象が「期間の定めのない契約で雇用される労働者」となっている場合は要注意です。既存の規程の適用範囲を確認し、必要に応じて規程を見直すなど、転換後の労働条件を明確にしておきましょう。

まとめ|障害者雇用の5年ルールを正しく理解して対応する

本記事の要点を整理します。

制度の基本

  • 障害者雇用にも5年ルール(無期転換ルール)は適用される
  • 通算5年を超えた場合、労働者の申し込みにより無期労働契約に転換する
  • 申し込みがあれば企業は断ることができない(みなし承諾)
  • 特例には高度専門職・定年後継続雇用者・大学等の研究者や教員等に関するものがあり、個別の要件確認が必要

注意すべきリスク

  • 更新手続きが形骸化していれば、雇止めが無効と判断される可能性がある
  • 雇止めは、契約更新の実態や更新への合理的な期待等により、労働契約法19条に基づいて認められない場合がある
  • 更新上限を設ける場合、明示と説明の手続きが必要(2024年4月〜)

対応方針

  • 法定の無期転換への対応を整えたうえで、正社員登用や早期の無期転換を検討する
  • 制度への対応と並行して、継続して力を発揮できる業務や支援体制を整える

社内整備

  • 定年の定めがなければ、無期転換後は定年のない雇用契約になる
  • 申込権が発生する契約更新より前に、適用規程・労働条件を確認する

5年ルールへの対応では、対象者と申込権の発生時期を把握し、適切な時期に申込機会や労働条件を明示することが重要です。就業規則や受付手続きを整えるとともに、本人の希望や必要な配慮を確認し、無期転換後も安心して働ける体制づくりを進めましょう。

エスプールプラスでは、農園を活用した障がい者雇用支援サービス「わーくはぴねす農園」を通じて、企業の障害者雇用を支援しています。

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写真:岡本 暁
記事監修|岡本 暁(おかもと あきら)
株式会社エスプールプラス 事業本部 経営企画室 室長
創業三期目の株式会社エスプールに入社。 2014年より株式会社エスプールプラスにジョイン。 農園運営部門の責任者、障がい者の就労支援部門の責任者を経て、 現在は経営企画室の室長として行政、福祉関係者と関わり、 当社理念(一人でも多くの障がい者雇用を創出し、社会に貢献する)の実現に向けた活動に専念。

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