障害者雇用の担当を任されたけれど、まず何の資格を取ればいいのか分からない。そう悩む担当者は少なくありません。
背景には、制度の大きな変化があります。
民間企業の法定雇用率は、2024年4月に2.5%へ引き上げられ、2026年7月1日からは2.7%となりました。これにより、従業員37.5人以上の民間企業が障害者雇用義務の対象となっています。
厚生労働省の令和7年6月1日時点の集計では、民間企業の法定雇用率達成企業割合は46.0%でした。
この記事では、担当者が押さえておきたい資格を一覧で整理し、専門性を高める関連資格、そして資格を取った後に大切になることまで解説します。読み終わるころには、何から始めればいいかが明確になります。
なお、障害者雇用支援サービスを提供するエスプールプラスでは、企業向け貸し農園「わーくはぴねす農園」を通じて、業務の割り当てから採用・定着支援までを伴走サポートしています。2026年5月末現在、全国62か所の農園、750社以上の導入実績と入社1年後の定着率92%以上を背景に、「適した業務が見つからない」「採用してもすぐ辞めてしまう」といった企業の課題解決を支援しています。
障害者を雇うには担当者が何か資格を取らないといけないのではないか。そう不安に感じる方は多いものです。
障害者を雇用するために、企業の担当者が必ず取得しなければならない資格はありません。資格がなくても、障害者雇用を進めることは可能です。
ただし、知っておくべき例外が1つあります。それが「障害者職業生活相談員」の選任義務です。
障害者雇用促進法では、常時5人以上の障害者を雇用する事業所に対して、障害者職業生活相談員の選任を義務づけています。これは「企業」単位ではなく「事業所」単位でカウントします。たとえば複数の拠点がある会社なら、本社・支店それぞれの事業所ごとに、障害者が5人以上いるかどうかで判断します。
この相談員になるには、障害者職業生活相談員資格認定講習を修了するなど、一定の要件を満たす必要があります。さらに、選任の義務が生じた日から3か月以内に選任し、選任報告書を管轄のハローワークに提出しなければなりません。
障害者雇用と資格の関係は、次のように整理できます。
資格は必須ではありません。ただ、障害特性への理解や合理的配慮の知識があれば、採用後の対応や定着支援に役立つ場面は多くあります。次の章では、企業の担当者が押さえておきたいおすすめの資格を、一覧でわかりやすく紹介します。
担当者向けの資格は数が多く、どれから手をつけるべきか迷いやすいものです。まずは全体像をつかめるよう、代表的な6つの資格を一覧で整理しました。
| 資格名 | 取得方法 | 費用の目安 | こんな担当者におすすめ |
|---|---|---|---|
| 障がい者雇用サポーター | 研修(DVD/WEB)視聴+修了レポート | 約14,080円 | まず基礎から学びたい入門者 |
| 障害者職業生活相談員 | JEEDの障害者職業生活相談員資格認定講習を修了 | 無料 | 障害者を5人以上雇用する事業所の担当者 |
| 精神・発達障害者しごとサポーター | 養成講座(90〜120分)を受講 | 無料 | 精神・発達障害の基礎を短時間で学びたい人 |
| 企業在籍型ジョブコーチ | 養成研修(集合+実技)を修了 | 無料〜約5万円 | 定着支援を本格的に担いたい人 |
| メンタルヘルス・マネジメント検定 | 検定試験に合格 | 約5,280〜11,550円 | 部下のメンタル不調に対応したい管理職・人事 |
| 雇用環境整備士(第Ⅱ種) | 講習(e-ラーニング)を修了 | 約13,000円 | 職場環境の整備を社内で進めたい人 |
無料で受けられる講習から、検定試験に合格して取得するものまで、難易度も目的もさまざまです。初めて担当になった場合は、まず無料で学べる講習から始め、必要に応じて専門的な資格へ広げる進め方が無理なく取り組めます。ここからは、それぞれの資格を詳しく見ていきます。
「障がい者雇用サポーター」は何から学べばいいか分からない担当者が、最初の一歩として選びやすい入門資格です。障がい者雇用支援センター(WESS)が認定する民間資格で、近年、特に雇用者数の伸び率が大きい精神障害や、発達障害に関する内容を中心に学べます。
入門編として、まず全体像をつかみたい担当者に向いています。
「障害者職業生活相談員」は障害者を一定数以上雇用する企業にとって、優先度が高い資格です。職場で障害のある従業員と会社の間に立ち、相談や配慮の調整を担います。
選任義務のある事業所の担当者であれば、まず取得を検討したい資格です。
「精神・発達障害者しごとサポーター」は精神障害や発達障害のある社員への接し方を、短時間で学びたい担当者に適しています。試験のある資格ではなく、厚生労働省が実施する養成講座です。
精神障害者の雇用が増えるなか、まず基礎を押さえたい職場におすすめです。
「企業在籍型ジョブコーチ」は採用した障害者の定着支援を、社内で本格的に担いたい担当者向けの資格です。試験はなく、養成研修を修了すれば活動できます。
採用後のフォローを強化したい担当者にとって、効果の高い資格です。
「メンタルヘルス・マネジメント検定(Ⅰ種〜Ⅲ種)」は障害の有無を問わず、社員のメンタル不調に対応する力を高めたい担当者に役立ちます。大阪商工会議所が実施する検定で、立場に応じて3つのコースに分かれています。
担当者であれば、まず管理職向けのⅡ種が実務に活かしやすいでしょう。
「雇用環境整備士(第Ⅱ種・障害者雇用)」は障害者が働きやすい職場環境を、社内から整えていきたい担当者向けの資格です。日本雇用環境整備機構が認定する民間資格で、対象者ごとに種別が分かれています。
障害特性に配慮した職場づくりを社内で推進したい担当者に向いています。
基礎的な資格を押さえたうえで、さらに専門性を高めたい担当者には、人事のキャリアにもつながる関連資格があります。ここで紹介する4つは、いずれも取得の難易度が高めですが、その分、障害者雇用の実務に深く活かせます。自分の業務や目指す方向に合わせて検討してみてください。
「社会保険労務士」は障害者雇用にともなう手続きや助成金を、社内で正確にこなしたい担当者に役立つ国家資格です。
人事労務全般のプロを目指す担当者にとって、強い武器になります。
「精神保健福祉士」は精神障害や発達障害のある社員の定着を、専門的に支えたい担当者に向く国家資格です。
精神障害者の雇用が増えるなか、相性のよい資格です。
「産業カウンセラー」は社員との面談や相談対応の質を高めたい担当者に役立つ資格です。
「聴くスキル」を磨きたい担当者におすすめです。
「キャリアコンサルタント」は障害のある社員のキャリア形成を支援したい担当者に向く国家資格です。
社員一人ひとりの成長に寄り添いたい担当者におすすめです。
資格を取って知識を身につけても、それだけで障害者雇用がうまくいくわけではありません。本当の難しさは、採用した後にあります。
これらに自社だけで対応しようとすると、担当者が資格を取り、知識を身につけ、体制を整える必要があります。もちろんそれも有効な方法ですが、時間も手間もかかります。
そこで選択肢の一つとなるのが、支援サービスの活用です。エスプールプラスは、企業向け貸し農園『わーくはぴねす農園』を通じて、企業が雇用主として主体的に関わりながら、業務設計・定着・活躍ができるよう伴走します。社内の担当者が判断・関与する体制を前提に、障害特性に配慮した職場づくりを支援しています。
実績も豊富です。2026年5月末現在、全国62か所の農園、750社以上の導入実績があり、5,200名以上の障害者の一般就労を支援してきました。入社1年後の定着率は92%以上という高い水準を維持しています。
ノウハウがない状態からでも、業務設計から採用、雇用後の定着フォローまで伴走サポートするので「自社の担当者だけで抱えるのは難しい」と感じている企業にとっておすすめです。
障害者雇用の進め方に迷っている担当者の方は、まずは資料請求や無料相談から、自社の課題に合うかどうかを確認してみてください。
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担当者が必ず取得しなければならない資格はありません。資格がなくても、障害者雇用を進めることは可能です。
ただし例外として、障害者を5人以上雇用する事業所では、障害者職業生活相談員を選任する義務があります。この相談員は資格認定講習を修了した人などから選ぶ必要があるため、該当する事業所では実質的に資格を持つ人が必要になります。
目的によって異なりますが、初めて担当になった方には、無料で受けられる講習から始めるのがおすすめです。
自社の状況に合わせて、必要なものから取得していくとよいでしょう。
障害者を5人以上雇用する事業所には選任義務があり、選任した際は、管轄のハローワークに選任報告書を提出する必要があります。
選任を行わない場合は、法律上の義務を果たしていない状態となり、ハローワーク等から行政指導の対象になる可能性があります。義務が生じた事業所では、早めに講習を受けて選任を済ませておくことが大切です。
担当者個人の資格取得そのものを対象とした助成金は、限られています。一方で、障害者雇用に関連する助成金は複数用意されています。
たとえば、企業在籍型ジョブコーチの養成研修については、一定の要件を満たせば、受講料の半額補助を受けられる場合があります。利用できる制度は状況によって異なるため、詳しくは管轄のハローワークや関係機関に確認することをおすすめします。
進められます。資格はあくまで知識やスキルを補うものであり、雇用そのものの前提条件ではありません。
ただし、採用後の定着や戦力化には、障害特性への理解や継続的なフォローが欠かせません。
障害者雇用支援サービスを活用する場合でも、企業側には雇用主としての判断、採用後の関与、合理的配慮の検討が求められます。支援機関と連携しながら、採用後の定着まで見据えた体制を整える方法です。
障害者雇用において、担当者が必ず取得しなければならない資格はありません。ただし、知識や専門性を備えておくことで、採用や定着はスムーズになります。
資格を選ぶときは、「何のために取るのか」を起点にすると迷いません。基礎を学びたいのか、選任義務に対応したいのか、定着支援を担いたいのか。目的が定まれば、取るべき資格はおのずと絞られます。
そして忘れてはいけないのが、資格はゴールではないということです。本当の課題は、採用した後の定着と業務の割り当てにあります。資格で土台を固めつつ、それを活かせる体制をどう整えるかをセットで考えることが、障害者雇用を成功させる近道です。
自社だけで体制を整えるのが難しいと感じたら、外部の支援サービスを活用するのも有効な選択肢です。エスプールプラスの障がい者雇用支援サービス「わーくはぴねす農園」では、業務の割り当てから採用、定着支援までを伴走サポートしています。障害者雇用の進め方に迷ったら、まずはお気軽にご相談ください。
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