更新日:2024年2月 9日

障がい者雇用とは?

障がい者雇用とは、障害者雇用促進法に定められている「障害者雇用率制度」に基づく雇用のことです。従業員を43.5人以上雇用している民間企業は、1人以上の障がい者を雇用しなければなりません。

公的機関も同様に障がい者雇用率が定められています。
そのため、事業主や公的機関などが、障がいのある方を対象にした採用枠である「障がい者雇用枠」を設けています。

障がいのある方は、そうでない方と比べて就労の機会を簡単に確保できない傾向があります。
しかし、実際には障がいのある方もさまざまな能力を持っており、仕事で活躍できる場があります。

そこで自立や社会参加を目的として、一般的な労働市場とは別に障がいのある方だけを対象にした雇用の仕組みが整えられました。
障害者雇用制度の中では、障がい者は原則として障害者手帳を持っている方として定義されています。

従来は知的障がいと身体障がいのある方が対象でしたが、2018年4月に改正障害者雇用促進法が施行され精神障がいがある方も対象に加わりました。

また、障害者雇用促進法についても、「障害者雇用促進法とは?背景や歴史、現状についてご紹介」の記事で解説しています。

法制度・最新情報の資料

障がい者雇用制度の背景

障がいのある方は長い間雇用の困難さに直面してきました。雇用の機会を得られても賃金が低かったり、不安定な雇用だったりと、安心して働ける環境ではありませんでした。

高度経済成長期を迎えた1960年、障がい者の雇用を促進する国際的な流れを受け、障害者雇用促進法の前身である「身体障害者雇用促進法」が制定されました。このなかで初めて、事業主が雇用すべき障がい者の雇用率が設定されました。これが障がい者雇用制度の誕生です。この時設定された雇用率はあくまで努力義務であり、強制力に乏しいものでしたが、1976年の法改正により法定雇用率は義務としての強制力をもつようになりました。

1987年、身体障害者雇用促進法は現在の「障害者雇用促進法」として改正され、1998年には知的障がい者、2018年には精神障がい者も雇用制度の対象となりました。その後今日に至るまで法定雇用率は少しずつ引き上げられており、障がいのある方々の雇用の機会は広がってきています。

障がい者雇用の条件や対象者

障害者雇用制度において労働者として働くためには、原則として自治体から発行された障害者手帳を所有している必要があります。
障がいの種類ごとに手帳も異なり、身体障がいがある方は「身体障害者手帳」、知的障がいがある方は「療育手帳」、精神障がいがある方は「精神障害者保健福祉手帳」が交付されます。

一方、民間企業や国・地方自治体、教育委員会は、法律に従って障がい者雇用の法定雇用率を満たす必要があります。
ただし、当該の従業員が障害者手帳を持っていなければ障がい者雇用としてカウントされず、障がい者雇用率も上がりません。
そのため、障害者手帳を持っていなければ企業の障がい者雇用枠ではなく、一般枠の求人に応募する必要があります。

障がいのある方が求人に応募するためのルートは主に3つです。
まず就職情報企業やハローワークなどの人材紹介機関を利用する方法、民間企業や自治体などの採用ホームページから応募する方法、そして障がい者向けの企業説明会や合同企業説明会があります。
障がい者雇用で働く条件や応募方法について、さらに詳しく知りたい場合は下記ページを一読してみてください。

「障害者雇用で働くための条件や応募の方法について」

障がい者雇用と一般雇用の違い

障がい者雇用も一般雇用も、採用試験を受けて採用されるのは同じです。
ただし、障がい者雇用の場合は採用の段階で障がい特性を伝えることで、入職後はその特性への配慮をしてもらいやすくなります。
通院や休憩などへの融通も効きやすく、働きやすい環境が多いようです。

障害者手帳を持っていても一般求人で仕事に就くケースはありますが、定着率をみると、障がい者枠での雇用のほうが、一般求人での雇用よりも1年後の定着率が高い傾向にあります。

一方、職種は限定的になりがちで、スキルアップがしづらいことから、一般雇用の場合よりも給与は低い傾向にあります。
平成30年5月の障がい者雇用の平均賃金は、身体障がい者が21万5,000円、知的障がい者が11万7,000円、精神障がい者が12万5,000円です。
一方、一般雇用の平成30年の平均月給は33万6,000円となっており、これをみても障がい者雇用の給与が低いことがわかります。

障害者雇用促進法とは

障がい者雇用において最も知られている法律が障害者雇用促進法(正式名称:障害者の雇用の促進等に関する法律)です。
障害者雇用促進法は、障がいのある方の雇用の安定化を図るために設置されています。
1960年に制定された「身体障害者雇用促進法」を前身としており、事業主が雇用すべき障がい者の雇用率を定めたものとなっています。
現在では、身体障がいのみならず、知的障がい者・精神障がい者も法律の適用対象となり、各種助成金の設立等に伴い改正が重ねられてきました。
障害者雇用促進法の中でも特に、3つのポイントをおさえておきましょう。

法定雇用率の設定

障害者雇用促進法では、企業や国・地方公共団体に対して、一定の割合の障がい者を雇用する義務を定めています。
2022年現在では、事業主別の法定雇用率は
民間企業:2.3%
国・地方公共団体:2.6%
都道府県等の教育委員会:2.5%
となっています。
障害者雇用促進法は5年に一度見直しが行われ、法定雇用率の引き上げが行われます。

障害者雇用納付金制度

さきほどご紹介した法定雇用率を達成できていない企業に対しては、納付金の支払いが課せられます。
これは障害者雇用納付金といわれるもので、徴収された納付金は法定雇用率を達成している企業に分配されることになります。
納付金の金額は、不足1名に対して月額5万円です。

特例給付金の設置

近年の法改正によって、短時間しか働けない障がい者の雇用についてもサポートする必要があるとの見方から、週10時間以上20時間未満の障がい者の雇用については「特例給付金」が設置され、要件を満たした対象の障がい者を雇用した事業主のうち、100人超の企業には1人あたり月額7千円、100人以下の企業には月額5千円が支給されることとなっています。
ただし、令和6年4月1日から週10時間以上20時間未満の重度身体障がい者、重度知的障がい者、精神障がい者は雇用率の算定に入ることになり、それに伴い、特例給付金の支給を廃止することになりました。

障がい者雇用の手順

障がい者雇用を始めようとする場合は、段階的に雇用を進めることで、雇用する側とされる側の双方が働きやすい環境を作りやすくなります。
以下は、その一例です。

1.障がい者雇用の理解を深める
ハローワークなどの支援機関などへ相談し、障がい者雇用への理解を深めましょう。特別支援学校の実習を見学したり、実際に職場実習を受け入れたりすることも良いでしょう。

2.配置部署や職務を選定する
地域障がい者職業センターなどに相談しながら、社内で雇用の具体的な検討を進めます。実際に雇用することを想定しながら業務の切り出しを行いましょう。

3.受け入れ態勢を整え、労働条件などを決める
受け入れる部署の設備などを確認し、必要であれば施設の改造や就労支援機器の無料貸し出しなどを活用します。また、指導担当者を決め、募集人数や採用時期、採用部署、業務内容などを決定しましょう。

4.採用活動を行う
ハローワークへ障がい者雇用の求人票を出しましょう。また、民間の求人サイトのなかには障がい者雇用に特化したサイトも複数あります。それぞれに特徴があるため、自社にあったサイトを活用しましょう。障害者就職面接会や障害者職業センター、特別支援学校などとの連携も効果的です。

5.職場定着
無事に雇用できたら、ハローワークのジョブコーチ支援制度などを活用し、障がい者の職場定着を図ります。また、職場環境や切り出した業務が合っているか、障がい特性に対して業務に無理がないかなどを定期的に見直すことで、働きやすい環境をつくれるでしょう。

障がい者雇用のメリット・デメリット

障がい者を雇用することは法律で義務付けられていますが、会社にとってもメリットが多々あります。逆に、障がい者雇用をしないことでデメリットを被ることもあります。

<障がい者雇用のメリット>

●社会的責任の遂行→ブランドイメージ向上・売上増大

法定雇用率の達成によって社会的責任を果たしていることを明らかにすれば、ブランドイメージの向上が見込めます。

●多様性のある会社づくり→人材不足対策

障がい者を雇用することで、さまざまな条件や制約をクリアして人材が活躍できる場をつくることができます。人材不足という経営課題の解決にも役立ちます。

●業務フローを見直すきっかけづくり→業務効率化

障がい者雇用のための業務の切り出しにより、業務全体の見直しや業務フローが再設計できます。

●税制優遇の適用、助成金の受給

障がい者を雇用する企業へはさまざまな金銭的支援があります。税制優遇措置もあり、会社経営の健全化に役立ちます。

<障がい者を雇用しないデメリット>

●雇用義務の未達成→納付金の発生

障がい者雇用にともなう企業間の経済的負担の調整を図るため、法定障がい者雇用率を達成していない場合には「雇用納付金」として不足している障がい者1人あたり月5万円が徴収されます。
雇用納付金の徴収は従業者100人以上の企業が対象です。

●行政指導→対応コスト発生やブランドイメージ毀損

法定雇用率が大幅に未達成の企業には、計画書の作成命令が行われることがあります。それでも計画通りに進まない場合、行政指導が入ります。
計画書の作成や行政指導の対応により通常外の業務が発生すると、人件費などのコストの増大に繋がってしまいます。

●企業名の公表→ブランドイメージや取引先への悪影響

法行政指導が行われても改善が見られない場合、社名公表措置がとられます。
社名が公表されると、ブランドイメージの毀損や取引先からの不信といった悪影響が生じる可能性があります。

障がい者雇用は今、社会全体の責務として推進されています。
障がい者雇用のポイントや最新の雇用状況などについては、こちらの記事も参考にしてください。

「障害者雇用を行うメリット、行わないデメリット」

(企業向け)障がい者雇用に関するその他の法律

前章でご紹介した通り、民間企業や地方公共団体などに対して障がい者雇用を義務付けているのが「障害者雇用促進法」です。
これは一定の割合で障がい者を雇用することを法的義務として定めており、未達成の場合は障害者雇用納付金を納める必要があります。障がいがある方の雇用を促進する上で、具体的な規定が盛り込まれています。

また、関係する法律には、自立や社会参加を支援する基本理念を定めている「障害者基本法」や、障がいがあることを理由にした差別の解消を目的としている「障害者差別解消法」などがあります。

そのほか、法律ではありませんが助成金制度も重要です。
主な制度として「特定求職者雇用開発助成金」、「トライアル雇用助成金」、「障害者雇用安定助成金」、「障害者雇用納付金制度」に基づく助成金、「人材開発支援助成金」などがあり、障がいがある方の雇用や人材開発などについて一定の金額が支給されます。
障がい者雇用に関わる法律や制度についてより詳しく知りたい場合は以下のページがおすすめです。

「障害者雇用で知っておくべき法律や制度について」

(企業向け)障がい者雇用を推進するための相談先

企業が障がい者雇用を行うための相談窓口は、大きく2つに分けられます。
ひとつは、主に障がい者雇用を専門に扱っている機関です。代表的なものとしては独立行政法人高齢・障がい・求職者雇用支援機構があります。
主に障がい者と高齢者の就労支援や職業能力開発を行っており、東京都に中央障害者雇用情報センター、全国各地に地域障害者職業センターを設置し、事業者からの相談に対応している団体です。

また、ハローワークや国・地方自治体も有力な相談先です。ハローワークでは、求人登録している障がい者の紹介だけではなく、雇用管理についても相談可能です。

また、地方自治体と共同している一体的実施事業の窓口や福祉事務所、保健所などの窓口もあります。
障がいのある方の就職に関する相談先についてより詳しく知りたい方は下記のページをご参照ください。

「障がい者の方が就職する際のポイント」

(企業向け)障がい者雇用において活用できる制度

企業が障がい者雇用を実施する際に活用すべき制度としては、「助成金制度」や「特例子会社制度」があります。
助成金制度とは、先述したような特定求職者雇用開発助成金、トライアル雇用助成金、障害者雇用安定助成金などを指し、障がい者雇用にかかる費用負担の軽減をし、障がい者雇用を促進することを目的とした仕組みです。
企業が利用する際は、必要書類を用意し、全国各地のハローワークや労働局に提出します。

特定求職者雇用開発助成金

高齢者や障がい者など、就職に困難を抱える方を、ハローワークなどからの紹介により継続して雇用する労働者として雇い入れる事業主に対して助成されます。支給額は障がいの程度や労働時間により異なり、30万円~240万円の間で支給されます。

トライアル雇用助成金

トライアル雇用とは、障がいのある方を原則3ヵ月間試行雇用することで適正や能力を見極め、継続雇用のきっかけをつくる制度です。トライアル雇用を行い一定の条件を満たした場合、対象者1人当たり月額最大4万円の支給を受けることができます。精神障がい者を初めて雇用する場合は月額最大8万円で、いずれの場合も支給期間は最長で3ヵ月間です。

障害者雇用安定助成金

雇用する障がい者が職場に定着できるようにするための措置や援助を行う事業主に向けた助成制度で、以下の3つに分けられます。

  • キャリアアップ助成金(障害者正社員化コース)
    障がいのある有期雇用労働者等を正規雇用労働者等に転換した事業主に対して助成されます。
    支給総額は対象者1人当たり33万円~120万円です。
  • 職場支援員の配置助成金
    雇用する障がい者の職場定着を図るために職場支援員を配置した事業主に対して助成されます。
    支給月額は1.5万円~4万円 で、最大支給期間は3年です。
  • 職場復帰支援助成金
    中途障がいを負った方等に対して職場復帰のために必要な措置を講じた事業主に対して助成されます。
    支給月額は4.5万円または6万円で、最大支給期間は1年です。

特例子会社とは、障がい者雇用のために設立した子会社が雇用している障がい者について、親会社が雇用していると算定できる制度です。

この子会社については、関係会社が株式会社であることや障がい者雇用推進者の選任、雇用される障がい者の人数が5人以上、かつ全従業員の20%以上であることなどの要件を満たす必要があります。この制度の申し込みや相談については、ハローワークや労働局が窓口です。

採用方法8選資料

(障害者手帳をお持ちの方へ)障がい者雇用枠で就労するためには

障がい者雇用枠(オープン就労)で就労する際は企業選びが大切です。企業によっては、これまでの雇用実績を公開しています。
どのような障がいのある方を、どのような職務で採用してきたのかをチェックしておきましょう。

また、就労環境や給料といった待遇面は企業によって異なるため、こちらも確認しておくことをおすすめします。就職活動については、一般採用と障がい者採用を同時期に行うケースが一般的です。
企業選びやエントリーなど必要な準備や手続きが多いため、早い時期から備えておきましょう。

就職のポイントについては下記ページでも紹介しています。

「障がい者の方が就職する際のポイント」

障がい者雇用は、法律に従って運用されるもので、障がいのある方が活躍できる社会の実現を目指す仕組みです。
法律や制度の種類で細かく規定されていますが、ハローワークなどの公共機関による支援が充実しているため、まずは相談するところからはじめてみてはいかがでしょうか?

障害者雇用率制度に関する最新の動向

令和4年6月17日、厚生労働省の労働政策審議会障害者雇用分科会において、今後の障がい者雇用施策の拡充・強化について意見書が提出されました。それをもとに、内閣は「障害者の日常生活及び社会生活を総合的に支援するための法律等の一部を改正する法律案」を作成し、令和4年10月14日に閣議決定。10月26日に国会に提出され、可決されました。その内容を見てみましょう。

障がい者雇用率に算定する障がい者の範囲拡大

以前の法定雇用率制度においては、週所定労働時間が20時間未満での障がい者雇用は対象とされていませんでした。しかし、週20時間未満の労働者は障がいの区分を問わず存在しており、特に精神障がい者においてその割合が増加傾向となっていることが問題視され、法改正に盛り込まれました。

令和6年4月1日より、週所定労働時間が10時間以上20時間未満の精神障がい者、重度身体障がい者及び重度知的障がい者も「雇用人数0.5人」として算定が可能になります。

精神障がい者の算定特例の延長

精神障がい者の職場定着を進める観点から、精神障がい者の実雇用率の算定に関して、令和4年度末までは、それまで0.5カウントであった20時間以上30時間未満の短時間労働者を、1カウントとする特例措置がありました。この措置については、障がい者雇用分科会の意見書を踏まえ、令和5年4月1日以降も当面の間延長されています。

障害者雇用調整金や納付金の変更

これまでの事業主への援助は、障がい者雇用の数を評価する調整金・報奨金の支出が大半を占める一方、障がい者雇用の質の向上に向けた助成金の支出は少なく、事業主に対する援助が十分に行きわたっていないことが課題となっていました。

そこで、令和6年4月1日より、障がい者の雇用人数が一定数を超える場合、超過人数分の調整金支給額を6,000円、報酬金支給額を5,000円減額することになりました。調整金・報酬金の減額の代わりに既存の助成金を拡充するほか、以下のような新たな助成金を新設しました。

●障害者雇用相談援助助成金

労働局によって認定を受けた認定事業者が労働局等と一体になり、ほかの事業主に対し障がい者の雇入れや雇用管理に関する相談援助事業を行った際に助成金が支給されます。

こうした助成金による障がい者の職業人生全体を通した支援の強化の背景には、雇用の確保だけでなく、質の高い雇用を提供しようとする事業主の取り組みを支援する狙いもあります。

障がい者雇用の事例紹介

障がい者雇用が会社全体に良い影響をもたらしている企業もあります。障がい者雇用を軌道にのせている事例をいくつかご紹介します。

(1)農園型障がい者雇用の導入により法定雇用率を達成し、社員のノーマライゼーション意識を向上

障がい者雇用の促進が大きな課題となっていたある介護関連企業。
一見親和性が高そうに見える介護事業と障がい者雇用ですが、介護業務のなかには障がいのある方には負担の大きな作業も多く、雇用の方法に悩んでいたといいます。

そこで農園型障がい者雇用を取り入れ、農園を2拠点展開。
現在は障がい者スタッフ24名を雇用し、法定雇用率を達成しています。収穫した野菜を通じて農園スタッフと他の社員が交流することで、社内のノーマライゼーション意識の向上にもつながりました。

障害者スタッフ、ご家族、そして社員に笑顔を「エイジフリーファーム」が育む「人の尊厳を大切にする」想い

(2)法定雇用率を大幅に上回る障がい者を雇用し、主体的な働き方を実践

企業や組織の理念に多様性や公平性、包括性を盛り込み、あらゆる人材が互いに尊重しながら活躍できる環境を構築する概念「DE&I(ダイバーシティ・エクイティ&インクルージョン)」の実践を推進し、多様な人材活用に積極的に取り組む企業。障がいのある方が働きやすい農園を雇用の場として開園し、現在は3拠点を運営しています。

農園で育てる野菜は、障がいのある農園スタッフたちが主体的に決めていきます。
栽培が容易な葉野菜からはじまり、スタッフのスキルアップに伴いジャガイモやカブなどの根野菜の栽培も始めました。

すでに法定雇用率を上回っていますが、DE&Iの観点からも、障がいの種別に関わらず、より多くの障がいのある方に広く就労の機会を提供するため障がい者雇用を推進しています。

多様な個性が楽しく働く農園から生まれる、サステナビリティ経営の原動力

まとめ

企業や自治体などは法律によって障がい者雇用が義務化されており、補助金や助成金による支援を受けとれる制度もあります。
こうした障がい者雇用の仕組みがあることで、活躍の機会が広がる一方、企業側は多様な人材の活躍が期待できるというメリットがあります。

企業の担当者や就労を希望する方は、制度を十分に活用できるように仕組みをしっかり理解することが大切です。

よくある質問

障がい者雇用の対象者は?
主に身体障がい、知的障がい、精神障がいのある方で、障害者手帳を保有されている方が障がい者雇用の対象となります。障がいのある方でも、障害者手帳を保有されていない場合は対象となりません。
なぜ障がい者を雇用する必要があるの?
誰もが活躍できる社会の実現のためには、障がいのある方が働ける場所を作ることは重要です。また、障害者雇用促進法に定められた法定雇用率を達成できない場合、企業には納付金を納めることが義務付けられているため、社会的な意義と経済的な負担の両面から、障がい者雇用を行う意義があります。
障がい者雇用の事例は?
エスプールプラスでは、野菜作りを通じて障がいのある方が活躍できる場のご提供とともに、法定雇用率の達成を実現した事例が多数ございます。農業での障がい者雇用は障がいのある方でも働きやすい環境であると厚生労働省も推薦しています。多くの企業のご担当者様から障がい者雇用に関するご相談をいただいております。詳しくは障がい者雇用の事例をご覧ください。
写真:エスプールプラス
記事監修|原田 和洋(はらだ かずひろ)
株式会社エスプールプラス
出版業、金融業を経験。金融業時代に見た「障がいのある方の働きたい想いが結果に紐づかない現状」と「企業が持つ障がい者雇用課題」の解決を目指し、株式会社エスプールプラスに入社。障がい者雇用コンサルタントとして企業の障がい者雇用支援に従事。障がい者雇用市場を様々な観点から分析し、セミナー登壇実績多数。