「2026年7月から法定雇用率が2.7%に引き上げられたけど、自社では障害者雇用をどう進めればいいのか...」
「助成金が使えると聞いたけど、種類が多すぎてどれを申請すればいいかわからない」
「うちは中小企業だけど、本当にもらえるの?一人当たりいくら受給できる?」
このような悩みを抱える人事担当者の方は少なくありません。
障害者雇用の助成金は、適切に活用すれば一人当たり最大240万円(中小企業・重度障がい者の場合)の支給を受けられる、企業の人件費負担を大きく軽減する制度です。しかし、助成金は10種類以上あり、それぞれ受給条件・申請窓口・支給額が異なるため、自社に合った制度を見極めるのは簡単ではありません。
助成金を活用する際は、制度の活用だけでなく、「業務の割り当て」や「採用」「定着」まで見据えた雇用体制づくりも重要です。エスプールプラスの企業向け貸し農園「わーくはぴねす農園」は、障がい者が活躍できる環境づくりから、採用・定着まで各段階で企業に伴走し、定着率92%を実現しています。サービス資料の請求も可能ですので、まずはお問い合わせください。
この記事でわかること
障害者雇用の助成金制度とは、障害のある方を雇用する事業主に対して、雇用に伴う負担を軽減し、雇用機会の創出と職場定着を支援する目的で国が支給する給付金制度です。
助成金は大きく以下の3つのカテゴリに分類されます。
| カテゴリ | 主な助成金 | 主な目的 |
|---|---|---|
| 雇入れ・試用雇用 | 特定求職者雇用開発助成金、トライアル雇用助成金 | 採用時の人件費負担を軽減 |
| 施設整備・雇用管理 | 障がい者作業施設設置等助成金、障がい者介助等助成金 | 設備投資・サポート体制構築を支援 |
| 職場定着・能力開発 | 職場適応援助者(ジョブコーチ)助成金、キャリアアップ助成金 | 長期雇用と正社員化を促進 |
助成金の財源の多くは、法定雇用率を達成できなかった企業から徴収される障害者雇用納付金(常用労働者100人超の企業が対象、不足1人あたり月5万円)です。つまり、障害者雇用に取り組まない企業から集めた財源を、助成金や調整金として、積極的に取り組む企業に還元する仕組みになっています。
助成金は補助金とは異なり、受給要件を満たせば原則として支給されるため、計画的に活用することで企業の人件費負担を大きく軽減できます。
助成金制度には、企業の負担軽減と障害者の雇用促進という2つの目的があります。
助成金制度の目的
助成金の主な対象者
助成金を申請できる事業主の基本要件は以下の通りです。
| 項目 | 要件 |
|---|---|
| 事業形態 | 法人・個人事業主のいずれも対象(助成金の種類により異なる) |
| 雇用保険 | 雇用保険適用事業所であること |
| 雇用方法 | ハローワーク等の紹介による雇用が原則(一部例外あり) |
| 雇用期間 | 継続して雇用することが見込まれること |
| 過去の不正受給 | 過去3年以内に不正受給による不支給がないこと |
雇用される側の対象者は、身体障害者・知的障害者・精神障害者・発達障害者・難病患者・高次脳機能障害のある方など、助成金ごとに対象範囲が定められています。障害者手帳を保有していない方でも、医師の診断書等で対象となるケースがあります。
なお、助成金の種類によっては中小企業に対する割増支給(支給額が大企業の約2倍)が設定されており、中小企業ほど手厚い支援を受けられる仕組みになっています。
2026年7月から、民間企業の法定雇用率が現行の2.5%から2.7%に引き上げられます。これは2024年4月の引き上げに続く段階的な引き上げで、企業にはより多くの障害者雇用が求められることになります。
法定雇用率の段階的引き上げスケジュール
| 時期 | 民間企業の法定雇用率 | 対象事業主の規模 |
|---|---|---|
| 2024年4月〜 | 2.5% | 常用労働者40.0人以上 |
| 2026年7月〜 | 2.7% | 常用労働者37.5人以上 |
引き上げに伴い、企業に求められる対応は以下の通りです。
法定雇用率が未達成の場合、行政指導や企業名の公表対象の対象となることもあるため、計画的な雇用準備が不可欠です。
特に重要なのは、法定雇用率引き上げまでの猶予期間が短い点です。雇用計画の策定、業務の割り当て、職場環境の整備、求人活動には数ヶ月から半年以上かかるため、2026年早期からの準備が求められます。
助成金を活用すれば、この準備期間に発生する人件費・設備投資費用を大きく軽減できます。次の章では、企業が活用できる助成金の全種類を一覧で解説します。
「自社ではどの助成金が使えるのか、まずは全体像を把握したい」と考える方も多いのではないでしょうか。
障害者雇用で活用できる助成金は、雇用のフェーズと目的によって大きく3つのカテゴリに分類されます。それぞれのカテゴリで活用できる主な助成金と受給額の目安を一覧で確認します。
障害者雇用助成金の全体一覧
| カテゴリ | 助成金名 | 一人当たりの受給額(中小企業) | 申請窓口 |
|---|---|---|---|
| 雇入れ・試用雇用 | 特定求職者雇用開発助成金 (特定就職困難者コース) |
最大120万円(2年間) | ハローワーク |
| 雇入れ・試用雇用 | 特定求職者雇用開発助成金 (発達障がい者・難治性疾患患者雇用開発コース) |
最大120万円(2年間) | ハローワーク |
| 雇入れ・試用雇用 | トライアル雇用助成金 (障がい者トライアルコース) |
最大月額8万円×3〜6ヶ月 | ハローワーク |
| 雇入れ・試用雇用 | トライアル雇用助成金 (障害者短時間トライアルコース) |
最大月額4万円×3〜12ヶ月 | ハローワーク |
| 施設整備・雇用管理 | 障害者作業施設設置等助成金 | 設置費用の2/3(上限あり) | JEED |
| 施設整備・雇用管理 | 障害者介助等助成金 | 措置内容により異なる | JEED |
| 職場定着・能力開発 | 職場適応援助者(ジョブコーチ)助成金 | 日額1.6万円〜1.8万円 | JEED |
| 職場定着・能力開発 | キャリアアップ助成金 (障害者正社員化コース) |
一人当たり最大120万円 | 労働局 |
※受給額は中小企業の場合の目安。大企業は約半額となるケースが多い
※JEED=高齢・障害・求職者雇用支援機構
自社の状況に応じて、活用すべきカテゴリの判断基準は以下の通りです。
複数の助成金を組み合わせて活用することも可能です。たとえば、トライアル雇用で採用した障害者を本採用に切り替える際にキャリアアップ助成金を活用するといった連続的な活用パターンが、最大限の支援を受ける代表的な流れです。
なお、助成金の申請窓口は助成金の種類によってハローワーク・労働局・JEEDの3つに分かれます。事前にどの窓口に相談すべきかを把握しておくことで、申請手続きがスムーズに進みます。
次の章からは、各カテゴリの助成金について、受給額・対象者・条件を詳しく解説します。
「障害者を新たに雇用したいが、どの助成金が使えるのか?」という疑問を持つ企業は多いはずです。
障害のある方を新たに雇用する際に活用できる主な助成金は、特定求職者雇用開発助成金とトライアル雇用助成金の2種類です。それぞれ複数のコースが用意されており、雇用する方の障害種別や雇用形態に応じて使い分けます。
ここでは、各コースの対象者・受給額・条件を詳しく解説します。
特定求職者雇用開発助成金の特定就職困難者コースは、就職が特に困難とされる障害者を継続して雇用する事業主に支給される助成金です。障がい者雇用助成金の中でも最も活用される代表的な制度です。
特定就職困難者コースの概要
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 対象者 | 身体障害者・知的障害者・精神障害者(重度を除く) |
| 受給額(中小企業) | 一人当たり総額120万円(2年間) |
| 受給額(大企業) | 一人当たり総額50万円(1年間) |
| 重度障がい者の場合 | 中小企業:総額240万円(3年間)、大企業:総額100万円(1年6ヶ月) |
| 支給期間 | 半年ごとに分割支給 |
| 申請窓口 | ハローワーク |
主な受給要件
支給対象外となるケース
中小企業の場合、重度障害者を一人雇用するだけで総額240万円を受給できる可能性があり、雇用初期の人件費負担を大きく軽減できる制度です。
発達障害者・難治性疾患患者雇用開発コースは、発達障害者または難治性疾患のある方を雇用する事業主向けの助成金です。障害者手帳を保有していなくても対象となるケースがある点が特徴です。
発達障害者・難治性疾患患者雇用開発コースの概要
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 対象者 | 発達障害者または難治性疾患患者(医師の診断書で判定) |
| 受給額(中小企業) | 一人当たり総額120万円(2年間) |
| 受給額(大企業) | 一人当たり総額50万円(1年間) |
| 支給期間 | 半年ごとに分割支給 |
| 申請窓口 | ハローワーク |
特定就職困難者コースとの違い
近年、発達障害や難病を抱える方の就労ニーズが高まる中で、企業側の受け入れ体制づくりを後押しする制度として注目されています。
トライアル雇用助成金の障害者トライアルコースは、障害者を試用期間として雇用する事業主に対して支給される助成金です。本採用前にお互いの適性を見極められるため、ミスマッチによる早期離職を防げる制度です。
障害者トライアルコースの概要
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 対象者 | 障害者手帳を持つ方、発達障害者、難治性疾患患者など |
| 受給額 | 月額最大8万円(精神障がい者は月額最大8万円×3ヶ月、その後月額4万円×3ヶ月) |
| 支給期間 | 原則3ヶ月(精神障害者は最大6ヶ月) |
| 雇用形態 | 試行的な有期雇用契約 |
| 申請窓口 | ハローワーク |
主な受給要件
トライアル雇用で適性を確認後、本採用に切り替える際は特定求職者雇用開発助成金との連続活用が可能です。最大限の支援を受けるための代表的な活用パターンです。
障害者短時間トライアルコースは、精神障害者・発達障害者を週20時間未満の短時間勤務から段階的に雇用する事業主向けの助成金です。長時間勤務が難しい方の就労機会を広げる制度として活用されています。
障害者短時間トライアルコースの概要
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 対象者 | 精神障害者・発達障害者 |
| 受給額 | 月額最大4万円 |
| 支給期間 | 3〜12ヶ月 |
| 雇用形態 | 週10〜20時間の短時間有期雇用 |
| 申請窓口 | ハローワーク |
通常のトライアルコースとの違い
| 項目 | 障害者トライアルコース | 障害者短時間トライアルコース |
|---|---|---|
| 対象者 | 障害者全般 | 精神障害者・発達障害者のみ |
| 週所定労働時間 | 20時間以上 | 10〜20時間 |
| 受給額 | 月額最大8万円 | 月額最大4万円 |
| 支給期間 | 3〜6ヶ月 | 3〜12ヶ月 |
主な受給要件
短時間からスタートして徐々に労働時間を延ばしていく雇用モデルは、特に精神障害や発達障害のある方の職場定着率を高める効果があります。本人の負担を抑えながら職場環境に慣れてもらうための有効な選択肢です。
「障害者が働きやすい職場をつくるための設備投資にも助成金は使えるのか?」という疑問を持つ企業も多いはずです。
障害者を雇用する際の施設整備・設備投資・職場環境の改善に対しては、JEED(高齢・障害・求職者雇用支援機構)が窓口となる助成金が用意されています。雇入れ系の助成金とは別枠で受給できるため、組み合わせて活用すれば人件費だけでなく初期投資の負担も大きく軽減できます。
障害者作業施設設置等助成金は、障害者の障害特性に応じた作業施設や設備を設置・整備する事業主に対して、費用の一部を助成する制度です。バリアフリー化や特殊機器の導入など、設備投資の負担を軽減できます。
障害者作業施設設置等助成金の概要
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 助成対象 | 障害者の作業に必要な施設・設備の設置・整備 |
| 受給額 | 設置・整備費用の2/3 |
| 上限額(第1種) | 一人当たり450万円 |
| 上限額(第2種) | 一人当たり150万円 |
| 申請窓口 | JEED(高齢・障害・求職者雇用支援機構) |
助成対象となる設備の具体例
第1種と第2種の違い
設備投資の規模に応じて、適切な区分を選んで申請する必要があります。設置後の継続使用が要件となるため、雇用計画と一体で検討することが重要です。
障がい者介助等助成金は、障害者の雇用に伴って必要となる介助者・支援員の配置や、職場復帰のための措置を講じた事業主に支給される助成金です。重度障害者や精神障害者の雇用において特に活用される制度です。
障害者介助等助成金の主な種類と受給額
| 措置内容 | 受給額の目安 | 支給期間 |
|---|---|---|
| 職場介助者の配置 | 月額15万円(委嘱の場合は1回1万円) | 最大10年間 |
| 手話通訳・要約筆記担当者の委嘱 | 1回6,000円 | 最大10年間 |
| 職場支援員の配置 | 月額3万円(中小企業は4万円) | 最大2年間 |
| 職場復帰支援助成金 | 月額4.5万円(中小企業は6万円) | 最大1年間 |
受給対象となるケースの例
職場介助者の配置助成金は、最大10年間にわたって継続支給される長期サポート制度です。重度障害者の長期雇用を実現するための重要な財源として活用できます。
「障害者を雇用したものの、定着せずに早期離職してしまう」という悩みは多くの企業が抱える課題です。
雇用後の職場定着・正社員化を支援する助成金として、職場適応援助者(ジョブコーチ)助成金とキャリアアップ助成金の2つが特に重要です。これらを活用することで、長期的な雇用関係を築きながら人件費の継続的な軽減が可能になります。
職場適応援助者(ジョブコーチ)助成金は、障害者の職場適応をサポートする専門人材を配置・委嘱する事業主に支給される助成金です。雇用初期の不安や課題を専門家がサポートすることで、定着率を大きく高められます。
ジョブコーチ助成金の2つのタイプ
| 項目 | 訪問型ジョブコーチ | 企業在籍型ジョブコーチ |
|---|---|---|
| ジョブコーチの所属 | 外部の支援機関 | 自社の従業員 |
| 受給額(支援1日4時間以上) | 日額1.8万円 | 月額制 |
| 受給額(支援1日4時間未満) | 日額9,000円 | 月額制 |
| 支援期間 | 最大8ヶ月 | 最大2年8か月 |
| 申請窓口 | JEED | JEED |
ジョブコーチが担う主な役割
ジョブコーチ活用のメリット
特に精神障害者・発達障害者の雇用ではジョブコーチの存在が定着率を大きく左右します。雇用初期からの活用を強くおすすめする制度です。
キャリアアップ助成金の障害者正社員化コースは、有期雇用や短時間勤務で雇用していた障害者を正社員に転換した事業主に支給される助成金です。長期雇用を促進するための強力な支援制度として位置付けられています。
障害者正社員化コースの概要
| 措置内容 | 受給額(中小企業) | 受給額(大企業) | 支給期間 |
|---|---|---|---|
| 有期雇用→正規雇用 | 一人当たり120万円 | 一人当たり90万円 | 1年間(分割支給) |
| 有期雇用→無期雇用 | 一人当たり60万円 | 一人当たり45万円 | 1年間(分割支給) |
| 無期雇用→正規雇用 | 一人当たり60万円 | 一人当たり45万円 | 1年間(分割支給) |
主な受給要件
重度身体障害者・重度知的障害者・精神障害者を正社員化する場合、中小企業で一人当たり最大120万円の支給を受けられます。
他制度とも併用すれば、一人の障害者雇用の助成金を段階的に受給できる可能性があります。長期的な視点で計画的に活用することで、人件費負担を最大限に軽減できます。
「助成金の申請って具体的にどんな流れで進むの?」「いつまでに何をすればいいの?」という疑問は、初めて助成金を活用する企業の多くが抱えるものです。
障害者雇用助成金の申請は、雇用前の計画段階から雇用後の支給申請まで、おおむね5つのステップで進みます。各ステップで必要な書類・提出先・タイミングを正しく把握しておくことが、確実に受給するための最大のポイントです。
ここでは、申請の流れを5ステップで詳しく解説します。
申請プロセスで最初に行うべきは、自社が活用できる助成金の特定です。助成金は10種類以上あり、それぞれ対象者・受給要件が異なるため、ここで適切な選択をしないと後の手続きが無駄になります。
助成金特定のための確認項目
複数の助成金を組み合わせるケース
一人の障害者雇用に対して複数の助成金を組み合わせることで、最大限の支援を受けられます。たとえば、トライアル雇用→本採用→正社員化の流れで、トライアル雇用助成金、特定求職者雇用開発助成金、キャリアアップ助成金を順次活用するパターンが代表的です。
判断に迷う場合は、ハローワークや専門の支援機関に相談することで、自社に最適な組み合わせを提案してもらえます。
活用する助成金が決まったら、申請窓口で事前相談を行います。助成金の種類によって相談先が異なるため、間違えないよう注意が必要です。
助成金別の申請窓口
| 助成金の種類 | 申請窓口 |
|---|---|
| 特定求職者雇用開発助成金 | ハローワーク |
| トライアル雇用助成金(両コース) | ハローワーク |
| 障害者作業施設設置等助成金 | JEED(高齢・障害・求職者雇用支援機構) |
| 障がい者介助等助成金 | JEED |
| 職場適応援助者(ジョブコーチ)助成金 | JEED |
| キャリアアップ助成金(障害者正社員化コース) | 都道府県労働局 |
事前相談で確認すべき項目
事前相談を丁寧に行うことで、書類不備による不支給を防げます。特に初めての申請では必ず窓口での相談を経てからの手続きがおすすめです。
雇用や設備整備を実施する前に、計画書や認定申請書を提出する必要があります。実施後の申請では受給できないケースが多いため、このステップは最重要工程です。
主な事前提出書類
| 助成金 | 事前提出書類 | 提出タイミング |
|---|---|---|
| トライアル雇用助成金 | トライアル雇用実施計画書 | 雇入れ後2週間以内 |
| キャリアアップ助成金 | キャリアアップ計画書 | 正社員化の前日まで |
| 障害者作業施設設置等助成金 | 認定申請書 | 設置・整備工事の着工前 |
| 障害者介助等助成金 | 認定申請書 | 介助者配置等の措置開始前 |
| ジョブコーチ助成金 | 支援計画書 | 支援開始前 |
よくある申請ミス
特定求職者雇用開発助成金は事前計画書の提出が不要ですが、それ以外の助成金はほとんどが事前提出を求められます。スケジュール管理を徹底しましょう。
計画書の提出が完了したら、実際に雇用や措置を実施し、その記録を保管します。後の支給申請時に提出する根拠資料となるため、漏れなく記録を残すことが重要です。
雇用・措置中に保管すべき書類
記録保管のポイント
特にジョブコーチや介助者の支援記録は日々の活動を詳細に残すことが求められます。「どの障がい者に対して、いつ、どのような支援を行ったか」を時系列で記録しておきましょう。
雇用・措置の実施期間が完了したら、支給申請書を提出して助成金を受給します。申請期限を過ぎると受給できなくなるため、スケジュール管理が極めて重要です。
助成金別の支給申請期限
| 助成金 | 支給申請のタイミング | 申請期限 |
|---|---|---|
| 特定求職者雇用開発助成金 | 半年ごと | 各支給対象期間経過後2ヶ月以内 |
| トライアル雇用助成金 | トライアル雇用終了後 | 雇用終了日の翌日から2ヶ月以内 |
| キャリアアップ助成金 | 正社員化後6ヶ月経過時 | 6ヶ月経過日の翌日から2ヶ月以内 |
| 障害者作業施設設置等助成金 | 設置完了後 | 完了日の翌日から2ヶ月以内 |
| 障害者介助等助成金 | 半年ごと | 各支給対象期間経過後2ヶ月以内 |
| ジョブコーチ助成金 | 支援終了後 | 終了日の翌日から2ヶ月以内 |
支給申請時に必要な主な書類
支給申請の重要な注意点
支給申請は多くの助成金で2ヶ月以内という厳しい期限が設けられています。期限を1日でも過ぎると不支給となるため、社内でスケジュール管理表を作成し、リマインダーを設定しておくことを強くおすすめします。
助成金の支給時期
支給申請書の提出後、審査を経て助成金が支給されます。
助成金は後払いが原則のため、雇用開始から実際の入金までには半年〜1年以上の時間差があります。資金繰りには余裕をもって計画しましょう。
なお、令和7年4月から多くの助成金で電子申請が可能になり、申請手続きの負担が軽減されています。電子申請を活用すれば、書類郵送の手間や移動時間を削減でき、申請期限の余裕も確保しやすくなります。
「申請したのに不支給になった」「途中で要件を満たせなくなった」というケースは、助成金活用の現場で実際に発生しています。
障がい者雇用助成金の申請で失敗を避けるためには、事前に押さえるべき注意点を理解し、計画的に進めることが不可欠です。ここでは、現場でよく起こる4つの失敗パターンと、その回避方法を解説します。
助成金活用で最初に失敗しやすいのが、支給期間と支給額のシミュレーション不足です。「思ったより金額が少なかった」「支給期間が短かった」という状況に陥らないよう、事前に正確な見積もりを行いましょう。
事前確認すべき4つのポイント
| 確認項目 | チェック内容 |
|---|---|
| 支給総額 | 中小企業/大企業の区分、障害種別、雇用形態による支給額の違い |
| 支給期間 | 1年間か2年間か、半年ごとの分割支給かの確認 |
| 支給スケジュール | 申請から実際の入金までの期間(2〜4ヶ月) |
| 受給要件の継続 | 期間中の雇用継続・労働時間維持などの条件 |
シミュレーションを誤りやすい3つのケース
ハローワークやJEEDの担当者に事前に詳細なシミュレーション表を作成してもらうことで、これらの誤りを防げます。
法定雇用率の達成を判断するための実雇用率の計算は、労働時間によってカウント方法が異なるため、正しく理解しないと未達成と判定されてしまうリスクがあります。
労働時間別の雇用率カウント方法
| 週所定労働時間 | カウント数(身体・知的障がい者) | カウント数(精神障がい者) | カウント数(重度障がい者) |
|---|---|---|---|
| 30時間以上 | 1人 | 1人 | 2人 |
| 20時間以上30時間未満 | 0.5人 | 1人(特例措置) | 1人 |
| 10時間以上20時間未満 | カウント対象外 | 0.5人(2024年4月〜) | 0.5人(2024年4月〜) |
雇用率カウントで間違えやすいポイント
実雇用率の計算式
実雇用率 = 障がい者の雇用人数(カウント反映後) ÷ 常用労働者数(短時間労働者は0.5人) × 100
実雇用率が法定雇用率(2026年7月以降は2.7%)を下回る場合、納付金徴収や企業名公表のリスクがあります。雇用率の計算は社労士やJEEDに確認しながら進めることをおすすめします。
障害者雇用助成金は、法改正により廃止・統廃合・新設が頻繁に行われる制度です。古い情報のまま申請を進めると、すでに廃止された助成金を申請してしまうケースが発生します。
過去に廃止・統廃合された主な助成金
| 制度名 | 状態 | 時期 |
|---|---|---|
| 特定求職者雇用開発助成金(障害者初回雇用コース) | 廃止 | 令和3年3月31日 |
| 障がい者雇用安定助成金(障害者職場定着支援コース) | キャリアアップ助成金等に統合 | 令和3年4月 |
| 人材開発支援助成金(障害者職業能力開発コース) | JEEDに移管 | 令和6年4月 |
最新情報を確認するための信頼できる情報源
特に2026年7月の法定雇用率引き上げに伴い、助成金制度の見直しや新設が行われる可能性があります。申請前には必ず最新情報を確認しましょう。
「助成金がもらえるなら障がい者雇用は儲かる」という発想で雇用を進めることは、短期的には支給を受けられても、中長期的には大きなリスクを招きます。
助成金目当て雇用が招く5つのリスク
| リスク | 具体的な影響 |
|---|---|
| 早期離職による定着率低下 | 受け入れ準備不足で6ヶ月以内に離職するケース多発 |
| 助成金返還請求 | 受給要件を満たさなくなった場合は支給済み助成金の返還義務 |
| 不正受給による公表 | 厚生労働省が事業主名・違反内容を公表する制度あり |
| 採用コストの累積 | 早期離職→再採用を繰り返すと採用コストが膨らむ |
| 既存従業員の士気低下 | 受け入れ体制不備により現場負担が増加 |
現場でよく見られる失敗パターン
助成金活用を成功させる3つのポイント
助成金は「雇用のスタートを支援する制度」であり、長期的な定着には別の取り組みが必要です。雇用後の定着支援にも目を向けることで、助成金の価値を最大限に引き出せます。
「助成金をうまく活用して進めたい。でも、そもそも障害者を採用できない、業務の割り当てができない、定着しない...」
このような悩みを抱える企業のために、採用・就労・定着の各段階で企業に伴走する支援サービスを提供しているのがエスプールプラスです。
エスプールプラスは、全国60か所以上の企業向け貸し農園「わーくはぴねす農園」を運営し、障害者雇用に取り組みたい企業を多角的に支援しています。
エスプールプラスの主な実績
| 項目 | 数値 |
|---|---|
| 導入企業数 | 730社以上 |
| 雇用創出実績 | 5,000名以上 |
| 障害者の定着率 | 92% |
わーくはぴねす農園の特徴
農業就労という安定した環境で定着率92%を実現しています。助成金の活用と組み合わせることで、障がい者が長く働き続けられる雇用体制を計画的に構築できます。
A.はい、個人事業主でも助成金の対象となります。
障害者雇用助成金の多くは、法人・個人事業主の事業形態を問わず申請できます。ただし、以下の要件を満たす必要があります。
個人事業主の助成金申請要件
家族経営の事業所でも、適切な雇用契約と労務管理体制があれば申請可能です。事前にハローワークや社会保険労務士に確認することをおすすめします。
A.アルバイト・パートタイマーも、一定の労働時間を満たせば対象になります。
主な助成金における労働時間の要件は以下の通りです。
| 助成金 | 必要な週所定労働時間 |
|---|---|
| 特定求職者雇用開発助成金 | 20時間以上 |
| トライアル雇用助成金(障害者トライアルコース) | 20時間以上 |
| トライアル雇用助成金(障害者短時間トライアルコース) | 10時間以上20時間未満 |
| キャリアアップ助成金 | 雇用形態の転換が要件 |
短時間勤務の障害者を雇用するメリット
アルバイト雇用でも適切な労働条件と雇用契約があれば、助成金の活用は十分可能です。
A.多くの助成金はハローワーク経由が原則ですが、一部例外があります。
ハローワーク経由が必須となる助成金と、それ以外の窓口で対応可能な助成金は以下の通りです。
| 助成金 | ハローワーク経由 | 備考 |
|---|---|---|
| 特定求職者雇用開発助成金 | 必須 | 民間紹介事業者(有料職業紹介事業者)経由も一部可 |
| トライアル雇用助成金 | 必須 | ハローワーク・地方運輸局・有料職業紹介事業者の紹介 |
| 障がい者作業施設設置等助成金 | 不要 | JEEDで対応 |
| 障害者介助等助成金 | 不要 | JEEDで対応 |
| キャリアアップ助成金 | 不要 | 既存の有期雇用者の正社員化が要件 |
雇入れ系の助成金を活用する場合は、応募者を直接受け入れる前にハローワークまたは認定された紹介事業者を経由する手続きが必要です。応募から採用までの流れを事前に確認しておきましょう。
A.助成金と補助金の最大の違いは、受給のしやすさと財源にあります。
| 項目 | 助成金 | 補助金 |
|---|---|---|
| 主な所管 | 厚生労働省 | 経済産業省・地方自治体 |
| 受給のしやすさ | 要件を満たせば原則受給可 | 採択審査があり競争率が高い |
| 財源 | 雇用保険料・障害者雇用納付金 | 税金 |
| 募集期間 | 通年または長期間 | 短期間で締切あり |
| 主な目的 | 雇用の維持・促進 | 事業活動の支援 |
障害者雇用において
両者を組み合わせて活用することで、より手厚い支援を受けられます。
A.多くの都道府県・市区町村で、独自の助成金・補助金制度を設けています。
自治体独自制度の主な例は以下の通りです。
| 自治体 | 制度名 | 概要 |
|---|---|---|
| 東京都 | 障害者安定雇用奨励金 | 1人あたり最大180万円 |
| 神奈川県 | 精神障害者職場指導員設置補助金 | 月額3万円 |
| 愛知県 | 障害者雇用促進助成金 | 設備整備費の一部補助 |
自治体独自制度の調べ方
自治体独自制度は国の助成金と併用できる場合が多く、組み合わせ活用で支給額を大きく増やせます。地域の制度を見落とさないよう、必ず確認しましょう。
A.助成金の種類によって、相談窓口は3つに分かれます。
| 相談内容 | 相談窓口 |
|---|---|
| 雇入れ系の助成金全般 | 最寄りのハローワーク |
| 設備整備・職場定着系の助成金 | JEED(高齢・障害・求職者雇用支援機構)の都道府県支部 |
| キャリアアップ助成金 | 都道府県労働局 |
| 自治体独自の補助金 | 都道府県・市区町村の障害者雇用担当部署 |
| 総合的な相談 | 社会保険労務士・障害者雇用支援サービス会社 |
相談前に準備しておくとスムーズな情報
複数の助成金を組み合わせて活用する場合、社会保険労務士などの専門サービスに一括相談することで、申請漏れや書類不備を防げます。
障害者雇用の助成金は、正しく活用すれば一人当たり最大数百万円の支給を受けられる、企業の人件費負担を大きく軽減する制度です。本記事の要点を以下にまとめます。
本記事の重要ポイント
助成金活用を成功させるための3つの行動
| 行動 | 内容 |
|---|---|
| 1.早期の情報収集 | 厚生労働省・JEED・ハローワークの最新情報を確認 |
| 2.専門家への相談 | 社会保険労務士など専門サービスに早期相談 |
| 3.定着支援との一体運用 | 助成金活用と職場定着サポートを組み合わせて持続可能な雇用を実現 |
2026年7月の法定雇用率引き上げまで、準備期間は限られています。助成金は「雇用のスタート」を支援する制度であり、長期的な定着には別の取り組みが必要です。雇用後の定着支援にも目を向けることで、助成金の価値を最大限に引き出せます。
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2026年7月に実施される、民間企業の法定雇用率「2.7%」への引き上げについて徹底解説します。今回の改定により、障がい者雇用の義務対象が「従業員数37.5人以上」の企業へ拡大。引き上げの背景、雇用すべき人数の計算方法、未達成時の「納付金」や「企業名公表」のリスク、そして円滑に雇用を進めるための外部機関や支援サービスの活用法まで、人事担当者が今すぐ知っておくべき情報を網羅しました。
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障害者雇用促進法の基礎知識から、2024年4月および2026年7月の法改正内容までを詳しく解説します。法定雇用率の段階的引き上げ(2.5%から2.7%へ)や、週10時間以上の短時間雇用のカウント開始、合理的配慮の提供義務化など、企業が対応すべき最新情報を網羅。義務違反による罰則や社名公表のリスク、活用できる助成金制度についても紹介し、実務的な対策をサポートします。
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ジョブコーチ(職場適応援助者)とは 障がい者が企業で働くときには、何らかの支援...
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障害者差別解消法とは、正式法律名を「障害を理由とする差別の解消の推進に関する法...
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障がい者雇用とは、障害者雇用促進法に基づく「法定雇用率制度」を中心とした雇用の仕組みです。本記事では、制度の背景や対象者(障害者手帳の有無)、一般雇用との違いを整理したうえで、法定雇用率の最新値と今後の引き上げ(2026年7月)、未達成時の納付金制度、短時間雇用の算定ルールなどの改正ポイントを解説します。さらに、雇用状況の最新統計(企業規模別・産業別・都道府県別)から現状を読み解き、企業が障がい者雇用を進めるメリット・雇用しないデメリット、採用〜定着までの進め方、相談先、活用できる助成金の例、取り組み事例、FAQまでをまとめました。
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【2025年最新版】障害者の法定雇用率について徹底解説。2024年4月の2.5%への引き上げに続き、2026年には2.7%へ引き上げられます。現在の法定雇用率の計算式、雇用義務が発生する企業規模(従業員数)、未達成時のリスク(納付金・社名公表)、そして除外率制度の変更点までを網羅。障害者雇用を促進する具体的なメリットや採用手法も紹介します。