更新日:2022年12月 8日

就労移行支援とは?

就労移行支援は、『障害者総合支援法』という国の法律で定められた障害福祉サービスです。障害者総合支援法には、「障がいがあるけれど働きたい」という方に向けた様々なサービスが定められています。(障害者総合支援法について詳しくは障害者総合支援法とは?の記事をご覧ください。)

様々なサービスのなかで、就労移行支援は「一般企業への就職」を目標としている方を対象にしたサービスです。「障がいや持病があるけれど働きたい」「就労するために何をしたらいいかわからない」という方に向けて、仕事をする上で役立つスキルを学ぶ機会や就職活動のサポートなどのサービスが提供されています。

就労移行支援事業所の支援内容は?

就労移行支援事業所の具体的な支援内容について解説します。

就労移行支援は、利用期間が2年以内と定められています。多くの就労移行支援事業所では、この2年間に『一般企業就職に向けたプログラムの実施』『就職活動のサポート』『就職先・復職先への定着支援』などが行われています。

就職に向けたトレーニング

トレーニングの例として、以下のようなものが挙げられます。

・実務に活かせるスキル習得(PCスキルやビジネスマナーなど)
・自身の障がいへの理解(得意・不得意な仕事を見極めるなど)
・職業準備性の向上(職業準備性...健康管理、対人コミュニケーションなど、働き続けるために必要な基礎的能力)

就職活動のサポート

就職活動を行う際には、就労移行支援事業所の支援員と相談して活動を進めていきます。就労移行支援事業所の支援員は、利用者へ直接仕事を紹介することができないため、ハローワークや障がい者雇用支援センターと連携をとって、利用者に適した職場探しや就職活動のサポートを行っています。具体的な支援として、書類添削、面接対策、面接練習、面接同席などがあります。

就職先・復職先への定着支援

晴れて就職先への入社が決まっても、入社後に悩みや不安が生じることもあるかもしれません。そのような悩みに対して、多くの就労移行支援事業所では、「就労定着支援(職場定着支援)」として利用者の就職後のサポートを実施しています。本人の希望や不安を聞き取り、職場や家族、医療機関などと連携して、指導や助言を行い、働きやすい環境づくりの実現に向けて支援するサービスです。

就労移行支援事業所ごとの特徴

2022年現在、日本には3000ヵ所を超える就労移行支援事業所があり、以下のような3通りのタイプに分類されます。

・一般型
・障害特化型
・専門スキル特化型

特化型の事業所では、障がい特性に合わせたプログラムが多く提供されています。事業所によって、実施されるプログラムや注力されているプログラムが異なることを認識しておきましょう。

(障がいのある方向け)就労移行支援の利用条件は?

就労移行支援を利用するためには、以下の条件を満たす必要があります。

1)身体障がい・精神障がい・知的障がい・発達障がいや難病のある方
2)原則として18歳以上65歳未満の方
3)一般企業への就職を目指している方

(障がいのある方向け)就労移行支援の利用手続きは?

就労移行支援を利用するためには、どのような手続きをする必要があるのでしょうか?

就労移行支援を利用する際には、市町村の行政窓口での『障害福祉サービス受給者証』の発行が必要となります。すぐに発行したいところですが、行政窓口へ受給者証を申請する際には、「どの就労移行支援事業所を使いたいのか」「どのくらいの期間で通所するのか」などを記載した計画書の提出が求められます。

そのため実際には、利用したい就労移行支援事業所が決まってから申請を進めるとスムーズです。まずは興味のある就労移行支援事業所を見学してみることをおすすめします。多くの就労移行支援事業所では、行政窓口への申請についても相談に乗ってくれるはずです。

まとめ

今回は就労移行支援の概要、利用方法について解説しました。

就労移行支援をはじめ、障がいのある方が就職したり働いたりするための支援の仕組みは年々整備されてきています。最新情報をキャッチして、利用できるサービスを最大限に活用していくことが重要です。