志望動機の考え方

採用面接では、なぜ、その会社や仕事を志望したのかを説明することが求められます。そして、採用に大きな意味をもつ項目となります。障がい者雇用においても、面接における志望動機は、一般の面接と同じように大切なものとなっていますので、志望動機についての理解を深めていきましょう。

志望動機で大切なポイントは、採用する会社が求めることと、あなたの持っているスキルや特性があっていること、また、その企業で活躍できる見込みをできるだけ具体的に伝えることです。志望動機がはっきりしていると、就職に対する意識が高いことが伝わりますし、仕事で貢献してくれそうだと判断してもらいやすくなります。

そのため面接で志望動機をどのように伝えられるかを意識するとともに、就職活動の採否を決める大きなポイントとして捉えることが必要です。では、志望動機では、どのような点を伝えればよいのでしょうか。

志望動機は、正解となるようなものがあるわけではありません。それは、会社や事業内容、業務内容も違いますし、その会社にどうして働きたいと思ったのかという動機や、あなたがどのような特性を発揮することができるかなど、状況によって異なるからです。

そのため、志望動機を考えていく上では、会社のことを知る企業研究や、自己分析をして、それを会社に合わせた自己PRにしていく必要があります。企業研究や、自己分析をどのように進めていけばよいのかを、まず見ていきましょう。

企業研究

企業研究とは、応募する企業のことについての情報や知識を得ることです。応募する企業の情報は、ホームページや求人情報、また、新聞や雑誌などのメディアから得ることができます。

企業研究して採用面接にいくことは、なぜ大事なのでしょうか。それは、採用面接の担当者の立場にたって考えてみるとよくわかるでしょう。これから働きたいと言っている人が、実は会社の情報を何も知らないまま応募してきたとしたら、あなたはどのように感じるでしょうか。「本当に働きたいのかな・・・」と、疑問に感じてしまうと思います。

そして、働きたいという気持ちや意欲が伝わらないだけではなく、むしろ働く準備が本当にできているのか、就職に対する意識が低いと思われてしまう可能性もあります。

ただ、企業研究をすることは大事ですが、企業研究しても、それが志望動機に活かされていなければ、意味はありません。志望動機として、「経営理念や経営方針にひかれました」「業界や会社に将来性を感じました」などの一般的な回答では、採用担当者にあなたの思いを伝えることはできないでしょう。

また、企業研究をするといっても、企業のサービスや製品などについて詳細に調べて、それについての批評をすることも、採用面接の場面ではふさわしいものとは言えません。ブログでレビューを書くわけではありませんので、企業研究をした上で、それとあなたの志望動機を結びつけるものにする必要があるのです。

自己分析

自己分析では、客観的な視点から見直し、自分の得意なこと(強み)、苦手なこと(弱み)、向いていること、そうでないこと、性格などを、今までの経験や活動から見ていきましょう。

しかし、自己分析は簡単にできるものではありません。時間をかけて、自己分析をする必要があります。

自己分析をする時は、まずは、箇条書きや単語を並べるだけでもいいので、自分を構成していると思われる内容を考えて、書き出します。

自分は何が好きだったのか、または嫌いだったのか、得意なことでほめられたことはどんなことだったのか、逆に苦手だったことは何かなど、過去の自分のことを思い出しながら進めていきましょう。過去のことを振り返ったあとは、現在の自分について考えてみます。今、あなたが力を入れて取り組んでいること、興味を持っていることなどについてです。これらが出てきたところで、面接に活用できそうな点について、深めていきます。

また、今までの成功体験や失敗体験、苦労したことなどを思い出しながら、自己分析をするのも効果的です。あなたがどのような人で、どのような場面でどのように行動してきたのかなどを、説明できるように整理しておきましょう。これらの点は、単に羅列するだけではなく、具体的なエピソードとして語ることによって、あなたの人柄や性格などを伝えることができます。

障がいの伝え方について

障がい者雇用で採用する場合、企業の担当者は、あなたがどのような障がいがあり、それが仕事をする上でどのように影響するのか、職場で必要な配慮はどのような点なのかを知った上で採用したいと考えています。ですから、そのような点を伝える準備をしておくとよいでしょう。

障がい者枠で就職を希望する人の中に、企業の採用担当者から配慮について聞かれると、何でも「できます」と答える人もいます。しかし、このように無理をすることはあまりおすすめしません。

できないことを「できる」と言って採用されたのであれば、実際に配属された先の部署の業務で迷惑をかけてしまうこともありますし、予定通りに業務をこなせなくて、あなた自身が無理をしてしまったり、ストレスがたくさんかかることによって、体調を崩してしまうこともあるからです。理想的な考えで答えるのではなく、現実的な面も見ながら、正直に伝えることが大切です。

ただし、企業側も障がいがあるからという理由で、あれもできない、これもできないと言われてしまうと採用を検討しにくくなります。

そこで、障がい特性や自分が今できる仕事をしっかりと伝えるとともに、どのような手段があれば仕事をしやすくなるのかなどを具体的に示すと良いでしょう。

障がい別の志望動機例の紹介

企業が障がい者雇用を進める時に、大きく分けると2つの考え方をします。

1つは、安定的に長期的に働いてほしいけれど、仕事自体のキャリアップなどは、あまり考えていない場合です。このようなケースでは、業務内容としては定型的でサポート的な業務が多くなっています。

もう1つは、障がいの有無に関係なく同じような勤務や仕事内容をこなして、キャリアアップや活躍の場を広げることを期待されるというケースです。障がいの有無に関係なく、総合的な仕事をすることが期待され、キャリアアップやポジションアップなども求められます。

障がい者雇用と言っても、この2つの考え方は大きな違いとなるため、求められる仕事の内容や求人票に書かれている内容を見て、どちらの人材を求めているのかをまず考える必要があります。そして、それに合わせた志望動機を書いていくことが大切です。

障がい者雇用枠での働き方を選択する場合、障がいに対する配慮をしてほしい、業務内容は納期や成果を求められるとプレッシャーがかかると感じる人が多いです。

ここでは、障がいがあっても配慮がある働きやすい環境の中で、長期間働くことをイメージした志望動機について障がい別に考えてみたいと思います。企業研究や自己分析については、個々に違ってきますので、ここでは、障がいの伝え方を中心に見ていきます。それぞれの障がい特性を踏まえると、下記のような伝え方が一例として挙げられます。

身体障がい者

体力的に疲れやすく、定期的に通院する必要があります。そのため体力が求められる業務はあまりできませんが、今までにバックヤード業務を経験し、たくさんある業務を効率的にこなす方法を考えて、実践してきました。パソコンは得意なので、そのスキルを活かし、仕事が効率的に進められる仕組みづくりや、書類作成で貢献できると考えています。

知的障がい者

物事をコツコツと進めることが得意です。速さを求められると焦ってしまうことがあるので、業務を教えてもらうときには、時間をかけて教えていただけるとありがたいです。一度、習得した仕事の方法やスキルは、確実にこなすことができるので、安定的に業務をこなすことに自信があります。

精神障がい者

パソコンを使った業務経験があり、求人票に書かれている業務をこなすパソコンのスキルがあります。障がいの特性としては、疲れやすく、集中力がかけてしまうことがあります。そのため休憩時間は短時間のものを、回数を多めにいただけると、仕事に集中しやすくなり、生産性を上げやすくなります。

まとめ

障がい者雇用での志望動機について考えてきました。

志望動機では、あなたがなぜその会社を応募したいと思った理由を答える必要があります。そのために、企業研究を行うとともに、自己分析を行った上で、志望理由を書くようにしましょう。

志望動機として、「経営理念や経営方針にひかれました」「業界や会社に将来性を感じました」などの回答をする人がいますが、これらの答えでは、採用担当者にあなたの思いを伝えることはできません。採用の担当者は、多くの面接経験があり、その場の面接を取り繕って、話を合わせたとしても、志望動機として話していることが本当かどうかは、すぐに見抜かれてしまいます。

企業研究や、自己分析をして、それを会社に合わせた自己PRができた志望動機を伝えることができるなら、就職できる可能性は高くなるでしょう。