更新日:2021年4月14日

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障がい者雇用の労働時間

障がいのある社員を障害者雇用率制度の雇用算定対象とするためには、一定の基準を満たす必要があります。まず、障がい者雇用としてカウントするために必要な条件について見ていきましょう。

労働時間と関連して、障がい者雇用の有給休暇・通院休暇とは?や、障がい者雇用で残業しても大丈夫?についても、合わせてご確認ください。

基本的には20~30時間以上の勤務が必要

雇用算定対象とするには、単に雇用すればよいというものではありません。一定の基準を満たさないと、障がい者を雇用しているとカウントすることはできません。

障がい者雇用のカウント方法は、障がいとその程度によって異なります。

まず、障がい者の区分による違いです。
精神障がいの場合は、障がい者を1人雇用しているとカウントするためには、週に20時間以上雇用していることが必要です。
一方、身体障がい、知的障がいの場合は、週に30時間以上雇用していることが必要です。そして、短時間雇用として、週20時間以上30時間未満の場合には、このカウント数が半分の0.5カウントになります。

また、障がいの程度によっても、カウント数は異なります。
重度の身体障がい、重度の知的障がいの場合には、このカウント数が2倍になります。つまり週に30時間以上雇用すると1カウントとされるものが2カウントになります。そして、短時間雇用として、週20時間以上30時間未満の場合には、0.5カウントは1カウントになります。

2023年時点で、障がい者雇用としてカウントするには、週に20~30時間以上の勤務が必要となっています。

週20時間未満の雇用に対する特例措置もある

なお2024年4月1日より、週20時間未満の雇用の場合でも雇用算定対象となる、特例措置がはじまります(後述:20時間未満の場合の雇用率算定特例)。

短時間労働(週20時間~30時間)精神障がい者の特例措置

週20時間~30時間の短時間労働の精神障がい者の特例措置は当分の間、実施されることになっています。この特例措置では、条件に該当する場合には、精神障がいの短時間雇用が、本来0.5カウントとされるものが1カウントになります。この特例措置は、精神障がい者の雇用の義務化と雇用率の引き上げに伴い、2022年度末を期限として設けられました。しかし、短時間雇用を活用する精神障がい者の定着率の高さから、当分の間、延長が決まりました。

この特例措置では、精神障がい者の短時間雇用において、本来0.5カウントとされるものが1カウントになります。

つまり、精神障がいの場合は、週20時間以上30時間未満の短時間雇用でも、30時間以上と同様、1カウントになります。精神障がい者の雇用をはじめたいと考えている企業の方は、この機会を活用することができるでしょう。

なお、精神障がい者の短時間労働者に関する算定方法の特例措置については、厚生労働省のホームページで詳しく説明されていますので、そちらをご覧ください。

短時間の障がい者雇用のニーズの高まり

障がい者雇用の現場では、週20時間以上30時間未満の短時間雇用を活用している精神障がい者が増えています。これは、障がい特性として、疲れやすい、長時間の勤務をする自信がない、短時間から体調を見ながら働きたいなどの希望があるからです。

このような現状があり、より精神障がい者の方が就労の機会を多く得られるように、短時間労働への特例措置がとられています。

週20時間未満の場合の雇用率算定特例

雇用算定対象とするためには、週20時間以上の雇用が必要でした。しかし、短時間の勤務からはじめて慣れていきたい方もいることから、週20時間未満の労働を希望する人が増えてきています。

2024年4月1日より、企業の雇用の幅を広げていくこと、障がい者の就職の幅を広げていくことの観点で、週所定労働時間が特に短い、10時間以上20時間未満の精神障がい者、重度の身体障がい者、重度の知的障がい者を雇用した場合も、雇用率に算定できるようになります。
この特定短時間労働者は、1人につき0.5カウントとなります。

また、これに伴い、特定短時間労働者の雇用人数に応じて支給されている特例給付金は、2024年4月1日をもって廃止となります。

すでに週20時間未満での雇用をはじめている企業もある

それに先立ち、20時間未満でも雇用をする企業も見かけるようになりました。精神障がいのある方などは、週に20時間以上の勤務が難しいこともあり、このような場合には、週20時間未満で雇用する企業もあります。

20時間未満でも働くことのできる企業は、まだ多くはありませんが、ソフトバンクで「ショートタイムワーク制度」を導入する事例や、川崎市では、2016年度から自治体として初めて「短時間雇用創出プロジェクト」の取り組みをおこない、市内の企業と連携しながら、短時間雇用をおこなっています。

参考:短時間雇用の「特例給付金」

2024年度から週20時間未満の場合の雇用率算定特例がはじまりますが、同じ背景から2020年度にはじまり、雇用率算定特例の開始に伴い廃止となるのが、「特例給付金」です。これまで雇用算定対象にならなかった週20時間未満の障がい者の雇用を進めることや、取り組む企業に助成金を支給するものです。

特例給付金の支給対象となるには、実労働時間が週10時間以上20時間未満であることが要件となります。

例えば、所定労働時間が週に10時間以上20時間未満となっていても、実労働時間が週10時間未満であった障がい者は、この特例給付金の対象にはなりません。

尚、所定労働時間が週に20時間以上であっても、実労働時間が週10時間以上20時間未満であった障がい者は対象とカウントすることができます。
詳細については、独立行政法人高齢・障害・求職者雇用支援機構のホームページで確認してください。

まとめ

精神障がい者の雇用が増えてきましたが、精神障がい者は、特性として疲れやすい、長時間の勤務が難しいなどの理由から、短時間雇用を選ぶケースも増えています。なかには、短時間の週20時間以上の勤務をすることも難しいケースも見られます。

週20時間未満の雇用でも企業側が雇用しやすくするために、2024年度からは新たに週10時間以上20時間未満の精神障がい者、重度の身体障がい者、重度の知的障がい者の算定特例がはじまります。

また、週20時間以上30時間未満の精神障がいの短時間雇用について、0.5カウントが1カウントと見なされる特例措置も当面継続することになっています。精神障がい者の雇用に取り組んでみたいものの、なかなか踏み出せなかった企業にとっても、取り組みやすい制度が設けられていますので、この機会に障がい者雇用の幅の拡大を検討してみることができるかもしれません。

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