写真:萩原電気ホールディングス株式会社

SDGs、ダイバーシティ、エンゲージメント、健康経営。ファーム活動を通じて見えてきた、多様性時代にふさわしい新たな価値の創造

萩原電気ホールディングス株式会社

総務人事本部 人材開発部 人材開発グループ  マネージャー 松下あゆみ 様
総務人事本部 人材開発部 人材開発グループ 岡田愛莉 様

イメージ:萩原電気ホールディングス株式会社インタビュー
利用目的
  • 同社が推進するSDGsの達成やダイバーシティ構想の実現にファームが貢献できると判断した
  • 安定雇用を達成するための新たな手段だと期待した
抱えていた課題
  • 技術系商社特有の専門知識を必要とする業務が多く、障がい者雇用のハードルとなっていた
  • 商談や顧客対応も多く、業務での受け入れ体制が追い付いていなかった
利用効果
  • SDGsをリードする部署としてファームが社内に認知された
  • 社員のエンゲージメント向上など、想定以上の成果が生まれてきた

自動車や社会インフラ、ITインフラなどに欠かせないデバイス(電子部品)やソリューション(情報端末、計測機器など)を扱う、東海エリアを代表する技術系商社「萩原電気ホールディングス」。的確な商材提供と高い知見や技術力に、多くの自動車メーカー、産業機械メーカー、住宅設備関連メーカーなどから厚い信頼を寄せられています。同社は2020年10月、エスプールプラス社が運営する「わーくはぴねす農園あいち小牧」に「ハギワラでんきあおぞらファーム」を開設、6名の障がいのあるスタッフの雇用を開始しました。同社がファームの導入に踏み切った背景や苦労話、そして成果を、ファームを管理される人材開発部の松下あゆみマネージャー、岡田愛莉様にうかがいました。

「農場長のリーダーシップに助けられ、ファームの運営は順調に推移」松下様

「現在のファーム運営概要を教えてください」

2020年10月のオープン当初から2チーム体制で運営しています。知的障がいのある方3名、精神障がいのある方3名の計6名と農場長2名の構成ですが、各スタッフの相性や性差のバランスを意識したチーム編成を心がけています。オープンから約1年半が経過しましたが、農園スタッフがより働きやすい環境作りのため、一度チームの改編を行いました。その甲斐もあり、現在のファームの雰囲気は明るく穏やかで、運営は順調に推移しています。時には欠勤やスタッフ間の問題なども発生しますが、農場長の速やかな対応に助けられています。綿密なヒアリングで事態の解決に努め、時にはプライベートの相談にものっています。ファームの円滑な運営に農場長のリーダーシップは不可欠だと学びました。素晴らしい農場長を紹介していただいたエスプールプラス社に感謝しています。

栽培している野菜は、スナップエンドウ、スティックセニョール、コマツナ、ラディッシュなど年間で約10種類ほど。四季と育てやすさを農場長が考慮し、セレクトしています。収穫作業は障がいのあるスタッフにとってとりわけ楽しみな作業で、生き生きと働く姿を見る私たちの頬も思わずほころびます。手塩にかけて育てられた収穫物は、ビニール袋できれいに包装され、フードバンクへの寄付活動や社内配布に活用されています。新鮮でおいしいと農園スタッフのご家族様からの評判も上々で、「家族がとても喜んでくれます」と笑顔で報告してくれるスタッフも多いですね。こうしたことからも、野菜作りと障がいのある方の相性のよさを実感しています。

「直接的な利益は生まないが、会社の発展に不可欠な存在にファームはなれる」松下様

「ファームの導入以前、どのような課題と向き合っていましたか?」

法定雇用率の達成が弊社喫緊の課題となっていました。当時管理部門で身体障がいのある方、精神障がいのある方を雇用していましたが、数値を達成するためには、全社的な受け入れが必須です。しかし、技術系商社特有の専門的な知識への対応、お客様との商談などを障がいのあるスタッフだけに託すのは現実的に無理がありました。

ファームの導入は2017年頃から検討されてきましたが、社内の評価は正直賛否両論でした。障がいのある方と野菜作りの相性のよさは理解されるものの、一方で「数値を満たすだけでいいのか」「本業で雇用してこそ意味がある」などの声も強くあがりました。正論と現実の間で揺れ動いた3年間でしたが、一部上場企業の社会的責任を考えると最早一刻の猶予も許されません。経営陣の理解を得るためには、ファームが会社の発展に貢献する部署であることが大前提。ファーム自体に事業利益を期待することは難しいですが、弊社が近年積極的に取り組むSDGs、ダイバーシティ構想を推進する機関として位置づけ、会社の社会的価値の向上を担う部署と定義するアイデアが導きだされたのです。弊社は創業以来社会貢献を重視しており、経営方針のひとつに「企業価値の向上によりステークホルダーから信頼され選ばれる企業グループを目指す」を謳っています。幸いにもこの考えは経営陣に受け入れられ、2020年導入が実現しました。

「SDGsを推進する象徴としてファームが社内に浸透」岡田様

「ファームが生み出した具体的な成果をお聞かせ下さい」

収穫された野菜には「1・貧困をなくそう」「8・働きがいも経済成長も」「10・人や国の不平等をなくそう」のSDGsシールが貼られ、ファームが弊社の3つのゴール達成に貢献する存在であるとアピールしています。フードバンク「セカンドハーベスト」様への寄付活動も社内に周知され、一般社員のダイバーシティ&インクルージョン理解推進の一助となっています。ファームは与えられた命題を着実に果たしていると実感しています。

「ファームには多様性社会を生きるためのヒントがあふれている」松下様

またファームの活動は社員のエンゲージメント向上にも一役買っています。目に見える形で会社の社会貢献を知った社員の心に、これまで以上に「意識が高い」会社で働く誇りが芽生え始めたようです。一般社員も障がいのあるスタッフも職場は違えど会社の役に立ちたい気持ちは同じであり、この会社で働く喜びを感じている。そんなエンゲージメント向上のきっかけとなっており、野菜と一緒に社員の働く幸せを育む存在に日々成長しています。

また新入社員研修に活用するなど、ファームが果たしている役割の重要性をより社内外へ発信する必要性を感じています。ファームは自分の会社の価値向上に欠かせない大切なセクションだと、もっともっと全社の認識を深めることは私ども人材開発部に与えられた大きなミッションだと考えています。会社と社員とファームの全員が常にwin-winの関係で結ばれていたいと思います。

多様性への取り組みに関し、弊社はまだ発展途上の段階にあります。子育て社員も多いとはいえません。それだけに障がいのある方か健常者かに関わらず、時代に適した新しい規範を会社は必要としています。そんな新しい時代に相応しい会社のルールや多様性社会を生きるためのヒントが、ファームにはあふれていると感じる昨今です。

「ファームが社内コミュニケーションの共通言語に」岡田様

入社2年目の私にとって、ファームは心を癒してくれる温かい存在です。社員の方々のファームに対する理解も進み、障がいのあるスタッフのモチベーションも上がっています。近頃では、直接関係のない部署の方から話しかけられるなど、ファームの話題が社内でよく上るようになりました。社内コミュニケーションの共通言語のひとつとして認められたようで嬉しい限りです。

「新たなる価値の創造の一助になりたい」松下様

「これからのファームに期待することとは?」

法定雇用率を遵守するための手段としてスタートしたファーム運営ですが、今ではSDGs、ダイバーシティ、エンゲージメントの向上、健康経営の推進など、弊社が挑戦している新しい時代の価値の創造に欠かせない部署になりつつあります。違うものが集うからこそ新しい価値は生まれます。より強い組織が生まれます。弊社の経営理念である「新たなる価値を創造し続ける」を実現する一助をファームが担えれば幸いです。

「ファームを採用ブランディングに有効活用」岡田様

採用ブランディングにもファームを積極的に活用したいですね。現在就職期にあるZ世代のSDGsなどの意識は高いだけに、説明会で野菜を配布するなどファームが持つハートウォーミングなイメージを訴求し、弊社への興味を喚起したいと考えています。また今後、社内有志の皆さんをご招待する収穫祭イベントの開催など、ファームと社員の関係をより親密化させる施策提案も、私に与えられた重要なプロジェクトだと考えています。

「エスプールプラス社をよき伴走者として」松下様

順調に推移しているファーム運営ですが、日々それなりの課題は発生しています。時には弊社の経験だけでは判断に苦しむケースも起こりますが、エスプールプラス社の豊富な事例から導き出されたアドバイスに毎回助けられています。経験値の高い農園責任者や雇用継続アドバイザーの皆さんは、本当に心強い存在です。「わーくはぴねす農園」ならではの充実した体制は、弊社のよき伴走者そのもの。心から頼りにしています。

2022年3月11日インタビュー
本文中の企業名、役職、数値情報等は、インタービュー当時のものです。

会社名 萩原電気ホールディングス株式会社
事業内容 電子デバイスおよび電子機器の販売ならびにFA機器の製造販売を行うグループ企業の経営戦略策定および管理
URL https://www.hagiwara.co.jp/

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