はじめての障害者雇用で知っておくべきこととは?

障害者とは

一くくりに「障害者」を定義したものはなく、「身体障害」「知的障害」「精神障害」について、それぞれ「身体障害者福祉法」「知的障害者福祉法」「精神保健福祉法」により規定しています。

身体障害者とは

身体障害者福祉法では、「別表に掲げる身体上の障害がある18歳以上の者であって、都道府県知事から身体障害者手帳の交付を受けたものをいう」と定義されています。「別表に掲げる身体上の障害」とは、視覚障害、聴覚・言語障害、肢体不自由、内部障害を指します。

知的障害とは

知的障害とは、「知的機能の障害が発達期(おおむね18歳まで)にあらわれ、日常生活に支障が生じているため、何らかの特別の援助を必要とする状態にあるもの」と定義されています。知的機能の水準は、知能指数(いわゆるIQ)を基準に測定されます。知的障害ではIQ70がひとつの判断基準の目安になります。

厚生労働省の定義は、重度は「A」、それ以外は「B」の2つのランク区分だけですが、多くの自治体は独自に、4つ程度のランクに区分をしています。自治体により障害者手帳の名称や等級が異なります。下記の表は大まかな目安になります。

障害の程度 一般的な等級 その他の例 東京都愛の手帳
最重度 A A1 マルA 1度
重度 A A2 A 2度
中度 B B1 B 3度
軽度 B B2 C 4度

精神障害とは

精神保健福祉法では「統合失調症、精神作用物質による急性中毒又はその依存症、知的障害、精神病質その他の精神疾患を有する者」と定めています。

また、障害者雇用促進法の施行規則では、雇用の対象となる精神障害者について以下のとおり定めています。

「次に掲げるものであって、症状が安定し、就労が可能な状態にある者とする」

  1. 精神保健福祉法の定めにより精神障害者保健福祉手帳を交付されている者
  2. 統合失調症、そううつ病またはてんかんにかかっている者(1 以外の者)

精神障害の種類としては、統合失調症、気分障害、発達障害など多岐にわたり、精神障害者であることの確認は、「精神障害者福祉手帳」の交付を受けているかどうかによって行います。そのほか、医師の診断書、意見書等によっても確認できることとされています。

障害の程度について

身体障害者手帳の種類は症状ごとに異なり、細かく分けると全部で15種類あります。

  • 視覚障害
  • 聴覚障害(+平衡機能障害)
  • 音声機能、言語機能またはそしゃく機能の障害
  • 上肢機能障害(肩、腕、手指など上半身の障害)
  • 下肢機能障害(腰、脚、足指など下半身の障害)
  • 体幹機能障害
  • 乳幼児期以前の脳病変による運動機能障害(上肢機能)
  • 乳幼児期以前の脳病変による運動機能障害(移動機能)
  • 心臓機能障害
  • じん臓機能障害
  • 呼吸器機能障害
  • ぼうこうまたは直腸の機能障害
  • 小腸機能障害
  • ヒト免疫不全ウイルスによる免疫機能障害
  • 肝臓機能障害

さらに各障害ごとに1級から6級の等級がもうけられています。(実際には7級までもうけられていますが、7級障害単独では手帳交付の対象にならず、7級の障害が2つ以上ある場合は6級に認定されます。)

また、同じ等級の障害が2つ以上みられる場合は、それらを考慮されて上位等級に認定される場合もあります。

審査は各都道府県でおこなわれますが等級判定の基準は厚生労働省からの通達で統一されています。厚生労働省から出ている等級表をご紹介しますので、判定の目安にして下さい。


精神障害者手帳の等級は1級から3級です。

判定の目安として以下の表が厚生労働省から出ています。

手帳の等級によって受けられるサービスが異なります。詳しくはお住まいの自治体へお問い合わせください。

等級 基準
1級 精神障害であって日常生活の用を弁ずることを不能ならしめる程度のもの
(精神疾患のため、長期の入院、施設で生活せざるをえない状態の方など)
2級 精神障害であって日常生活が著しい制限を受けるか、または制限を加えることを必要とする程度のもの
3級 精神障害であって日常生活もしくは社会生活が制限を受けるか、または日常生活もしくは社会生活に制限を加えることを必要とする程度のもの

知的障害

厚生労働省からの指導は、重度は「A」、それ以外は「B」の2つのランク区分だけです。

しかし、多くの自治体は独自に、3~4つ程度のランクに分けています。
下記がその目安です。

等 級 障 害 の 程 度
A 重度 IQ35未満 日常生活全般に常時の援助が必要
B1 中度 IQ50未満 日常生活に援助が必要
B2 軽度 IQ70未満 日常生活は可能、援助

認定区分や基準は各自治体により若干異なります。また、等級は知能や実際の生活習慣、問題行動などを総合的に判断したうえで判定されます。

障害者雇用における障害者について

障害者雇用促進法で雇用義務を負う障害者は、身体障害者と知的障害者、精神障害者です。
また、障害者雇用促進法における障害者とは、障害者手帳(身体、知的、精神)を保有する人が対象となります。

障害者採用の方法について

一般的に企業が障害者を採用する場合、軽度の身体障害者がイメージされます。しかしながら、そのような障害者は、すでに就労中の方が大半で、採用活動をしてもほとんど応募がないというのが実情です。

したがって、身体障害者以外の障害者も採用対象に含めていくことを前提として採用活動を考えることが必要となるでしょう。

流入経路として基本的には、自社サイトでの求人募集の他にハローワークや民間紹介会社の利用など通常の採用活動と同じになります。
しかし、採用後も「個別具体的」なサポートが必要不可欠になりますので、特別支援学校や就労移行支援事業所など障害者の教育・福祉機関へ相談するといった選択肢もとることで多くの情報・アドバイスを得られます。

障害者雇用の第一歩は何をすればいいのか?

障害者の受け入れ前に、特性や配慮すべき事項について共有できるような体制づくりが必要になります。

初めて障害者と働くという場合には、どのように接してよいかわからず、戸惑いを覚える人も少なくありません。
特に、知的障害や精神障害などの場合、配慮すべきことが目に見えにくいものもありますので、より不安や心配が生まれやすくなります。

しかしながら、業界・業種や従業員数など各企業様によってサポート体制づくりは様々です。
まずはハローワークへ相談することをお勧めしております。


企業の現状を説明し、どのような順序で取り組むべきか、連絡を取り合い、しっかり相談することが大切です。

ハローワークでは、求人を出すだけでなく就職を希望する障害者に対して、就職の斡旋から就職後のフォローも含め、一貫したサービスを行っています。
また、職業相談員も配置されていて、障害者が適切な職業選択ができるように、相談・援助・指導をしています。
企業側としては、採用後のミスマッチを防ぐためにも、ハローワークに登録されている求職者情報をきちんと把握することが大切です。さらには、職場への定着をはかるために、就職後もハローワーク、各種関係支援機関などとの連携が不可欠です。

求人はしているものの応募がない場合

売り手市場と言われる現在、なかなか思うように採用活動が進まないのが現状です。
特に断続的に法定雇用率が上がっている現状を踏まえて、長期的観点で各社様障害者雇用をすすめており、採用の競争は激化しています。
職種を限定しその仕事ができる障害者を採用するという進め方のみでは、難しくなっているのが現状でしょう。


「適切な業務の切り出し」に課題を抱える企業様は多いです。まずは、自社内での作業工程の洗い出しの他に、障害者を雇用している企業や近隣の就労支援施設などにご相談してみるのはいかがでしょうか?

企業側・当事者双方の観点から情報を収集することで、自社業務の中で切り出しを行うヒントになるかもしれません。
そのような、この業務なら任せられそうという仕事を想定して求人を出してみましょう。

また、事前の実習を行ったりとマッチングの質を高めることも一つです。応募者も、「入社して実際に活躍できる環境か」については不安を抱えています。実習があることで、安心して求職者も応募することにつながります。


内定通知を出しても、採用条件が合わず辞退される場合

売り手市場と言われる現在、内定を出したとしてもその後に辞退をされるケースも少なからずあります。
前提として本人の意思確認を面接時にしっかりと行うと共に、基本的には、通常の採用と同様に内定後のフォローが重要になるでしょう。

実際の入社まで期間が空く際には特に、定期的な連絡の他、入社日や当日の準備など内定者が不安を抱かないように見通しを示すことが必要になります。

また、面接を複数回実施し支援員にも同席してもらうなど、本人意思確認やサポート体制、障害特性の把握を丁寧に行っていくことで双方の理解を深めることができます。


経営陣の関心がない場合

障者雇用は法律によって義務付けられたものであり、昨今においてそうした社会的責任は特に大きいものとなります。
そのことをまずはきちんと説明し理解と協力を得る必要があります。
障害者雇用を進めていく上で、現場理解だけでなく少なからず人員組織の体制づくりや支援制度など経営にも関わる事項が多いです。「障害者雇用を会社としてきちんと進めていく」という経営者の意識があるとなしでは、実際の雇用に向けての実現性が大きく異なります。

例えば

  • 法定雇用率未達成の場合のリスク(雇用率達成指導、企業名公表、障害者雇用納付金の支払い)について具体的に説明する。
  • 自社の現状の説明し、雇用を進めるための方向性を示す。
  • 他社情報を収集し、同業他社の事例を示す。

など、経営層に対して障害者雇用の必要性を示してみてはいかがでしょうか。


障害者雇用の支援制度について

特定求職者雇用開発助成金をはじめとした各種助成金制度が活用できる場合があります。また、トライアル雇用制度やジョブコーチ派遣など制度面での支援策もありますので、有効に活用していきましょう。

利用にはいくつか条件があり、種類によって申請手続きなどが違いますので注意してください。


主な助成金については下記のページをご参照ください。

障害者雇用の相談にのってほしい場合

障害者雇用を取り巻く環境は、法改正の影響の他に、企業のコンプライアンス意識の向上による採用意欲の高まりもあり、様々に変化しております。

障害者雇用のノウハウがない、業務の切り出しが困難、適切な定着のサポートができない…など、障害者雇用の担当者様はご苦労されています。
エスプールプラスでは一人でも多くの障がい者雇用創出に向けて、双方の立場から企業様の課題解決に取り組んでおります。ぜひお気軽にお問い合わせください。


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