写真:株式会社MINEZAWA

MINEZAWAファームの農業における雇用で、障害者雇用率の達成と社内の活性化を実現

株式会社MINEZAWA

代表取締役社長 峰澤 彰宏 様、経営管理本部 部長 内藤 宏 様、経営管理本部 人事・労務担当 小島 沙友里 様

イメージ:株式会社MINEZAWAインタビュー
利用目的
  • 障がい者雇用の場を社内以外で確保する
  • 農業を通して、本業にも役立つ機会をつくりたい
抱えていた課題
  • 障がい者雇用を行う社内の業務の切り出し
  • 精神障がい者等の雇用管理と社内理解
利用効果
  • 採れた野菜を通した社内コミュニケーションの活性化
  • 地域の障がい者が働ける場を提供

株式会社MINEZAWAは、機械工具の商社として、明治元年の創業以来モノづくりと共に歩み続けてきた企業です。時代と共に変化する製造業の現場に寄り添い、あらゆる課題やニーズに、フレキシブルかつスピード感をもって対応することを大切にしてきました。
一方、障がい者雇用については社内での雇用に取り組んできましたが、なかなか思うように進まず、難しさを感じていたそうです。そのような中で、取り組み始めた農業分野における雇用の経緯や現状、雇用したことによる社内への影響などについてお聞きしました。

農業だったからこそやりたい!と感じた(代表取締役社長 峰澤様)

ーMINEZAWA様の会社の事業内容について、お聞かせください。また、障がい者雇用を行う上で、どのような点に難しさがあったのでしょうか?

MINEZAWAは、機械工具の卸売をしている商社です。商社というのは、お客様、取引先とのコミュニケーションや、円滑なレスポンスが求められてきます。それは、電話であったり、メールであったり、また、倉庫の作業などでも、決して商品を間違えてはいけない役割を担っています。
社内でも実際に障がい者雇用に取り組んできたのですが、このようなスピード感が求められる現場で、障がい者への配慮や業務の切り出しが難しいと感じました。

ー現在の障がい者雇用の状況や、農業で障がい者雇用をどのように捉えられたのかをお聞かせください

MINEZAWAファームで、農業の仕事に携わる社員を3名雇用しています。
農業で障がい者雇用をするということに、特に関心を持ちました。実は、私自身、以前から農業にとても興味があったんです。
その一つのきっかけは、少し前に社員に新規事業のアンケートを取った時に、農業をやりたいという提案があり、非常にそれに惹かれたんです。ただ、そのときには、それ以上の具体的なアイデアに進展しなかったことや、少し調べてみたのですが、農業は規制が厳しいこともあり、現実的ではないなと感じました。
また、MINEZAWAのある愛知県の岡崎市は、比較的のどかな地域で、社員の実家、親戚など、農業に携わっている人がたくさんいます。ですから、農業といっても遠い世界のことではなく、私たちや社員にとっては、割と馴染みがあるんです。そんなことからも「ビジネスにしていけたらいいな」という思いがありました。20年前には、「自然薯を作ろう」なんていう話も出ていたこともありました。
そんな経緯もあり、農業で障がい者雇用を行うという話に、すぐにやりたいなと思いました。もし農業ではなく、林業や漁業だったら、もう少し違っていたかもしれません。農業だったということが、私の大きな判断の根底になっています。

思っていた以上に楽しかった農業

ー障がい者雇用を農園で行なうことになった経緯やきっかけは、どのようなものだったので しょうか

社員がエスプールプラス社を見つけてきました。内容が農業だというので、先ほどお話ししたように、私としては関心が高かったので、非常に前のめりになりました。話を伺ってからの決断は早かったと思います。
また、社内では関係当局の指導もあって、近年、障がい者雇用に積極的に取り組んでいました。でも、残念ながらなかなかうまくいかなかったこともあり、社員たちにとっては、障がい者雇用としての新たな切り口として、こういう方法もあるんだなと受けとったようです。

ー実際に、農業で障がい者雇用を進められてどのような感想を持たれていますか

私自身は、やってよかったなと思っています。農業のよさは、種をまいて、育てて収穫するという一連の作業が、とても建設的だということです。思っていた以上に楽しかったですね。
商社の中の営業という分野においては、営業という種をまいて売上を上げ、その結果に手応えを感じることがあります。これが農業では、実際に一粒まいて、実際に収穫することができるんです。この手に触れる形になるというのは、営業活動で種をまいて売上を上げること以上に楽しいなと感じました。
また、農業で採用した農場長や障がいのある社員も非常に前向きに仕事をしてくれています。このような形で、会社の一つの事業として運営できること、また就労の機会をつくることができて社会貢献につながっていることはうれしいですね。

農場での雇用を、社員には他人事として捉えてほしくない

ー離れたところで雇用されていらっしゃるわけですが、働く社員の方たちの帰属意識や、 社内の他の社員の方たちへの周知などで、工夫されている点があれば、お聞かせください

交替で社員が農園に行く機会を作って、実際に農作業をする、障がいのある社員と一緒に働くということをしています。この会社がやっている事業なので、たとえ直接関わらない社員でも、他人事として捉えてほしくないと思っています。
でも、「他人事じゃない」と口で言ったり、社内の掲示板に載せてもわかりにくし、伝わりにくいんです。だから現場に一緒に行って、土を触ることをして、実践で感じてもらう機会を作っていくようにしています。

ー障がい者雇用に関する今後の予定や、展望をお聞かせください

長年いろいろ考えてきた中で、障がい者雇用に関しての新しいアイデアというのは、正直言って具体的には難しいなと感じています。もちろん、引き続きこの会社の事務、倉庫、いろんな場面で障がい者雇用ができれば積極的に行いたい気持ちはありますが、なかなか面接をしてもうまく折り合わないという状況もあります。
でも、この岡崎市の地域で農園があれば、ぜひ積極的に参加したいと思っています。今、ある小牧市の農園はちょっと遠いので(車で約1時間)、早く会社の近くにも作って欲しいと要望を出しているところです。
そうすれば、もっと地元の障がいのある方を雇用でき、地域にも貢献できます。また、毎日社員が見に行くこともできますし、お昼に採れたての野菜をみんなでそこで食べるとか、障がいのある社員と一緒にお昼を食べるとか、いろいろなことができるかなと思っています。


社内で取り組んできた障がい者雇用の状況や、実際に社員の方が農園に行くことでの変化、今後の展望について、さらに、内藤様、小島様にお聞きしました

社内での雇用で、業務の切り出しや雇用管理の難しさを経験

ー社内での障がい者雇用には、どのように取り組んでこられたのですか

エスプールプラス社が農園で障がい者雇用を取り組んでいることを知り、面白い取り組みをしている企業があるなと思っていました。ただその時は、会社内での雇用を目指していたので見送ったんです。
社内で障がい者雇用を進めていくと、雇用はできても、途中で体調を崩して長期の休みに入り、そのまま退職になった社員が出てきたり、体調管理や業務の引き継ぎなども含めた雇用管理の面でどうしたらよいのかと、いろいろな課題に直面することになりました。
また、特に精神の方の受け入れでは、今まで一緒に働く社員も接する機会が少なかったこともあり、障がいへの配慮の方法や、どのような関わり方をしていけばよいのかを悩んだりすることもありました。そんな経験をする中で、再度、農業での障がい者雇用を検討し、参入することになりました。

ー農業で障がい者雇用をおこなってみて、どのように感じていますか

仕事の内容が、障がいのある方に合っている仕事だと感じました。どうしても会社内の仕事を切り出すと、「これはできるかな、大丈夫かな」と思いながら、手探りでやっていかなければならないところがありました。
でも、農業は時間にすごく追われる仕事でもないですし、体調に合わせた業務の組み立てができるので、その辺お互いにストレスなく仕事できる環境が整っているのかなと思います。
社長と同じで絶対に楽しいだろうなと思ってはじめたことですけれど、実際に関わっていくと、 想像していた以上に楽しかったです。毎回、農園に行くと、温かい気持ちになって帰ってこれるんですね。すごくいい空間だと思っています。
会社内では、できないところがあると、そこに目がいってしまい、気になることもあります。しかし、農園は普段の職場とは違った場であることもあり、みんながそれぞれ違う仕事をしているけれど、それぞれの個性や、できることもあれば、不得意なこともあることを受け止められる空間なので、こちらも穏やかな気持ちになります。空間が変わると、ちょっと見え方が違うなということに気づくことがあります。

農園に行くことを通して、他の部署の社員との交流が生まれた

ー社員の方が農園にいくことに対しての反応はいかがですか

時間をうまくやりくりしながら、いろんなメンバーが農園に行けるようにしています。 「この日、農園に一緒に行ける人はいませんか」という案内をすると、「行ってみたい」と手が挙がるので、社員が興味を持ってくれているんだなというのは感じています。
農園に行くときには、部署の垣根もなく参加してもらうので、普段接することのないメンバーと一緒に活動することができ、社員同士のコミュニケーションを図れる場作りにもなっています。このような機会で、社員同士の横のつながりも大事にしながら、農園での障がいのあるメンバーと一緒に働くことも体験してもらいたいなと思っています。

ー農園で収穫された野菜はどのように活用されていらっしゃいますか

今までは、社員に配布してきました。農園で実際に働いているメンバーに会社へ来てもらって、直接手渡ししてもらったこともあります。
でも、ただ野菜を配って終わりだけでは物足りないところもあるので、野菜を使ってどんな料理をしたのかを社内SNSにあげて、社員のコミュニケーションが図れるようにしています。野菜を通して、仕事以外の繋がり、同じテーマで話せる横のつながりが増えるといいなと感じています。
また、一通り社員の手には渡ったので、今後は、お付き合いのある児童福祉施設に寄付することを検討しています。社員の福利厚生と、社会貢献という面の両方に役立てるといいなと思っています。

本業にどのように活かせるかを、さまざまな角度から考えていきたい

ー障がい者雇用に関する今後の予定や、展望をお聞かせください

まずは、障がい者雇用の法定雇用率を達成していくということを、継続的に取り組んでいきたいと思っています。
そして、いかにビジネスに結びつけられるかという点についても、今後検討していきたいと思っています。はじめは、野菜を販売することも考えたのですが、事業として成り立たせることは難しいなと感じました。
でも、MINEZAWAは商社なので、いろいろな商品を扱っているんです。また、メーカーとしての役割をもちたいと考えており、プライベートブランドなどの取り組みをはじめています。そういうところで、例えば、農園でモニターとして使ってもらい、ユーザー意見を反映できるような仕組みづくりができないかなと考えています。ユーザーの意見をフィードバックして活用しながら、いい商材を作っていき、世の中にだしていくこと、こんなことが実現できると、今までの事業とは違った形でのシナジー関係を生みだすことができるかもしれません。
今、働き方やオフィスのあり方などが大きく変化する中で、営業所などのあるべき姿をどうするのかを検討しています。以前は、営業所の条件は、倉庫があって在庫をもてるということを重視していたのですが、今はテレワークなども普及する中で、事業所に社員が詰めていることがいいことなのか、営業社員は直行直帰でもいいのでは・・・といった検討をしています。
そんな中で、シェアオフィスを活用している営業所も出てきました。そこでは、普段接することのない企業と隣合わせになることもあって、今までと違ったコミュニケーションがあったり、異業種交流によって新たなマッチングが生まれたりすることもあるんです。
今はビジネスマッチングはいろいろな方法で行われていていますし、今後は、それが障がい者雇用や野菜をつくる中で生まれることがあってもいいのではないかなと思っています。同じように農業で障がい者雇用に取り組んでいる企業と異業種交流やコラボレーションできると楽しそうだなと思います。
また、会社自体は歴史がある会社なので、いいところもある反面、変わってこれなかった部分もあると感じることがあります。魅力ある社内の風土づくりや、これからの時代の企業に求められているSDGsにも取り組んでいきたいです。

2021年4月23日インタビュー
本文中の企業名、役職、数値情報等は、インタービュー当時のものです。

会社名 株式会社MINEZAWA
事業内容 機械工具の卸売商社
URL https://www.minezawa.co.jp/

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